で、チビが帰って来たんだ

「僕は家庭の課題は提出した?」と聞いた。

「パパが届けてやったんだ。

下駄箱の前に置いておいたのも

いい判断だったろ?」という心算でいたんだ。

 

だけど悪い予感の方が当たっていた

「今日忘れて提出できなかったよ」という事だった

パパ真っ青

家庭科のワークの所在が不明ではないか

 

誰かが拾って届てくれるなんて

期待する方がおかしいんだと気が付いた

大事な課題を

ちゃんと全部やってあったのに

 

「どうして下駄箱の中に入れておいてくれなかったの#」

チビの言う通りだ。

誰かに拾ってもらって届けさせるなんて俺っておかしいのか?

 

これなら遅れて提出することにした方が

ましだった。

 

とにかく下駄箱の前に置いておいた家庭科のワークが心配だ。

学校に連絡することにする。

 

「チビはそんなことはするな!」と言う。

でもしない訳には行かない

 

手が震えて何回か違う番号を押してしまった。

学校にかかる。

「もしもし○○中学校です」

「2年○組の○○の父親です。

今日提出の課題があってそれを仕上げて置きながら

家に忘れて行ってしまいました。

それで届けてやったんですが

校門が閉まっていて、ちょうど給食のトラックが来た時に門が開いたので

入って下駄箱の前に置かせてもらいました。

帰って来た息子に聞いたところ「提出できなかった」という事で

息子の手には届かなかったとわかりまして

学校の方に届いてないでしょうか?」

 

観念して全てを白状する

「分かりました。担任と下駄箱の付近を探してみます」

優しそうな女の先生で助かった。

 

十数分後担任の先生から電話が掛かって来た

「ありました。下駄箱の上に置かれていました」

それを聞いて心からホットした。

「月曜日に本人に渡して本人から教科担任に手渡してもらいます」

 

チビに報告に行く。

そして自分の部屋に戻ったが

そうだ!チビに言って置こうとあることを思いついた。

 

「返してもらったらすぐ家庭科の先生の所へ持って行けよ!

やってなかったのを学校で仕上げたと思われない様に」

 

するとチビも 「わかってる。家庭科の教科に対する意欲を

見せるためにそうしなきゃ」と言っていた。

 

「今日テストできた?」と聞くと

「まあまあ」だって

やっと普通の答えになってくれたと思う。

今回は実技の方ができたという。

 

一日分の心配はもう済んだ。

もう「まあまあ」の中身は聞かない事にしよう