びりー君は朝起きると、ルイスにパンの買い出しに連れていかれたそうです。
お世話になってるんだから当然だと思いましたが、びりー君も大分払いました。
そうは言っても大した金額ではなかったそうです。カメラも置いて行くつもりでしたから
お礼としては十分かなと思ったそうです。最初にここの家にお世話になった時、
もし無事に帰ってこれたらカメラを置いて行ってあげようと決めていました。
10時にロッシはクスコからリマの空港に来ることになっていたという事ですが、遅れるみたいでした。
アエロペルーはよく遅れたそうです。びりー君はなぜかホッとしたそうです。
ルイスの親戚のお宅で最後の朝食を食べたそうです。
相変わらず代わり映えのない食事だったそうです。ルイスはさっき買ったバターをパンに塗りながら
「ペルーのバターはおいしい。日本のバターはすごくまずかった」と言ってました。
びりー君はバターの味なんてそんなに注意して味わった事が無いのでよくわかりませんでした。
でも、ペルー人の味覚は日本人のそれとは違う事も随所で経験してきました。
だから味覚の問題だろと思ったそうです。
リマの家にはルイスの妹夫婦も住んでいます。ルイスの妹さんはきれいな人でとてもダンスがうまかったそうです。
音楽に合わせて躍動する肉体が実にリズミカルでした。彼女には白人の旦那がいました。
ルイスは「妹に旦那がいなかったら是非お前に紹介したかったんだ」とびりー君に話してくれたそうです。
びりー君は彼女に旦那さんがいて本当によかったと思いました。
彼女は美人で体つきも申し分ない人でしたが、当然ルイスと同じ黒人でしたから、
もしそういう事になったらきっといろいろ問題が出るなと思ったそうです。
食事を終えると、近くの共同マーケットに散歩に行きました。そこは高校の体育館ほどの大きさのガランとした建物で
中に、祭りので店のような屋台が数十軒ほど軒を連ねていたそうです。青空市場に屋根が付いたような具合です。
ルイスの従兄のホワンの彼女のお店があり、店の前の通路に折り畳み椅子とテーブルを置いて、軽食のできる
喫茶店を営んでいたそうです。
大学の学際で見かけるような屋台でかなり原始的だったそうです。何もかも詰め込んだ閉鎖空間の共同マーケットなので、
いろんな臭いが立ち込めていたという事です。
彼女のお店では、ゼラチンに砂糖を入れて甘くしたゲル状の物体の中にプラムがいれてあるデザートを食べさせてもらいました。
びりー君は食べてみてまずいと思いました。しかし、まずい物でもまずいというわけにもいかず、うまいと言ったそうです。それを
聞いた二人に強く勧められて結局もう1ついただく羽目になりました。
ルイスとホワンは別にお代わりはしないで、おいしそうに2杯目を食べるびりー君をただ見ているだけでした。
フリアカで見た青空市場、タクナで見た青空市場などと同様、ここでも人間同様、御犬様も立ち入り自由だったそうです。
屋根がある建物の中で、食肉とか魚とかの生鮮食品を扱っているにも関わらずです。犬ってもっと愛すべき動物なのかも
しれないと感じたそうです。
そして、ロッシが今朝クスコから伝えてきた時間が迫るとびりー君たちはタクシーを拾い彼女を迎えに空港に向かいました。