今までの剣幕から、一転して「いいよ払ってやろう」と言うことになったのでルイスはホッとしていたといいます。実は、びりー君もロッシに会いたくてたまらなかったそうです。
びりー君は、どうしてルイスのコネで自分がクスコに行った時よりだいぶ安い航空運賃なんだろう?やっぱりごまかされていたのかな。
びりー君は、後日、はたと思いつくことがあってクスコまでの航空運賃を計算し直してみました。すると、結局彼が半額負担してくれたらしいことが分かりました。空軍大佐の自分のコネを使ったのかもしれません。この時抱いた疑いがとても恥ずかしかったと言います。
びりー君にはもう手持ちの現金はありませんでした。クレジットカードを使ってお金を引き出すことにします。
決めたからには早い方がいいです。お金を送ったはいいが、肝心の彼女はリマに来ないなんて疑いは、心の片隅にも現れなかったといます。才媛の美人なラティーナがびりー君を見送りたがってるとはなんという贈り物でしょう。
大急ぎで、リマの市内の銀行へ行きました。ルイスの従兄のホワンも一緒に来てくれたそうです。彼も車をどこかへ送る手続きをしなければならず、その手続きをする窓口が、リマ市内のコンベンションセンターにあったという事でした。
へえ、ホワンも車を持っていたのか!彼の車には、滞在中一度もお目にかかったことがなかった。仕事で使うならともかく、自家用車を持てるような経済状態ではなかったように見えたのでとても驚いたそうです。もっとも中古車なら、安くで手に入るから考えられなくはなかったと言います。
帰りの飛行機の中で、小さいころペルーに住んでいたという日本人女性と話をする機会があったそうで、彼女は、びりー君に、つい10年くらい前までは、ドアのない車とか平気でしないを走っていたそうです。「それに比べれば今の状況は大分よくなりましたね」と教えてくれたそうです。
びりー君の家の近所に住んでいる出稼ぎペルー人カルロス氏は、時々、びりー君の所へ中古車のカタログを持ってやって来るそうです。彼は、」不況のあおりで、勤めている工場で仕事を大分減らされてしまいました。そこで、副業で、南米に自動車を輸出する仕事をやっているそうです。カタログに書いてあることがわからないとき、びりー君に聞きに来るのです。
彼の話では、平成5年以降に製造された車でないと、ペルーへの輸出は許可されないということなんだそうです。そういう規則だそうでした。これに違反してペルーに車を送った友達がいましたが、銃殺されたということです。
冗談。運賃を安くしてくれましたが、本人負担でペルーから送り返されてきたそうです