何かバサバサやってるなと思ったのよね

隣のオバサン

 

「アカヤが鳩捕まえちゃったのよ!」

ばーちゃんが僕に慌てて言って来る。

 

「どーする、取り上げる?」

 

「うん、取り上げる」と僕は答えた。

 

よくまあ、こんなところに鳩なんかいたな・・

と考えると、1軒思い当たるところがあった。

朝、鳩小屋から鳩が群れをなして飛んでいる

 

まあ、動物同士のトラブルで関係ないと思うけど

もう頭の隅に追いやって考えないことに

 

猫から鳩を取り上げないと

別の意味で厄介な事が増える

 

僕が近づくとアカヤは獲物を咥えて家の裏へ

完全に僕を警戒している。

獲物をとられると思っている。

もう、いつものアカヤではない。

 

とはいうものの、

いつも食べるのはクッキーみたいなキャットフード

こんなに大きな獲物をしとめた事はないし

どこから食べ始めればいいかわからないみたいで

獲物を持て余してる

 

ふと鳩から離れたその隙に

スーパーの袋で鳩をつかんでそのまま捨てる

 

まだ暖かくてさっきまで自由に空を飛びまわっていたのだ

 

猫は獲物が急になくなったのであっちこっち臭いを嗅いでいる。

 

じーちゃんに猫が鳩を捕まえてしまった事を言う。

この辺で鳩と言えばあそこの家しかない

「仕方ないから言うなよ」と言っておく。

 

実はその家、昔近くに隣接する駐車場の車に塗料が塗られたことで

文句を言いに行ったことがある。

小さな子供がいるから怪しいと。

僕は確かにその可能性もあるけど証拠はないと言っても

じいちゃん聞かなかった。

 

やれやれと僕が店から戻ろうとすると

じいちゃんが子供たちの前でそれを口にするのを聞いた

すぐに睨みつけたよ。バカな事言うな!と。