ばーちゃんのかけた水は冷蔵庫の下にドボドボこぼれただけだ。


タオルを敷き詰めたのに、変なところから零れ落ちた水が出て来て止めさせた。


もう絶対に開かない。壊さない限り無理だ。


それを避けるには氷が解けるのを待つしかない。


チビが「オレもやってみる」と言う。


開くはずないけど、ずーっと開けなかったらどういうことになるか


後学のために知っておいてもいい。


すると、しばらくして「アイタ」と言う声が聞こえた。


こっちの気を引くために冗談をよく言う狼少年だから


どれどれと期待しないで見に行く。


開いてた。


急いで中の氷を全部掻きだして、製氷皿とそれを受ける引き出しを引き抜こうとする。


製氷室の上側に氷の塊がへばりついていて引き出しが取れない。


苦労して取ったが、今度はもとに戻せなくなった。


氷をはがすしかない。


湯沸かし器のお湯をペットボトルに入れてその熱で溶かそうとしてみる。


埒があかない。


チビが「ドライヤーを使えば」と言う。


そうだ!どうしてそれに気が付かなかったんだ!


ドライヤーを使っても氷の塊はなかなか剥がれなかった。


しかし20分ほどして氷が天井から剥がれ始めたので指を入れて引き落とした。


壊れたかと思ったが大丈夫だった。


「俺のI Qは150だ」とチビが言い出す。


この間ネットで、これができたら120という問題ができたと喜んでいたが


いつの間に30も上がったのか?


しかし、だんだんある事実が見えてきた。


チビのI Qが高いんじゃなくて、僕のI Qが低いだけなんだ。