食事を済ませると、フリアカの市内巡りをしました。建物はペルーにしては割合完成に近づいた、もしくは完成している佇まいのものが多く見受けられ、その点では、経済状態はいいのかなと印象を受けたそうです。もっとも市の中心部だからそうだったのかもしれないということでした。
ペルーでは、休日はどこの都市でも小、中、高の学生や警察官、鼓笛隊の市中の大通りの行進があるらしいです。びりー君たちがフリアカに行ったその日も、休日だったので、彼らの行進に遭遇したそうです。ペルーの行進の仕方は変わっていました。歩くときに膝を曲げないのだそうです。びりー君には見るからに歩きにくそうに見えたそうです。
びりー君がルイスの家でルイスのきれいな奥さんに、学校でもああいう行進をしていたの?」と聞いたら「ええ、してたわよ」と言っていたそうです。彼女の美しさとあの行進の仕方は合ってないだろと思ったそうです。
でも、あちらに言わせると、こちらの行進は「どうして大切な行進なのに膝を曲げてしまうの?」とでもいうことになるのだろうかとびりー君は感じたそうです。後日、フジモリ大統領官邸で見た衛兵の交代式で、膝を曲げて歩く場面が、ほんの少し見受けられたそうです。びりー君はあの歩き方にも何かの意味があるのかなと思ったそうです。そんなのどうでもいいことですが。
次に、お土産を買いに青空市場に行きました。カラフルな民族衣装を普段着として身に着けているおばさんたちが、アルパカやリャマの毛織物やら、日用品、お菓子の類、肉、野菜に至るまでいろんなものを売っていたということです。
そして、その広場には、線路が1本通っていました。さび付いていて、ほとんど崩れかけているのなら何とも思わないのですが、レールの上面は、やすりで磨いたように、鈍い銀色に光っていたそうです。「なんだ、まだ使われているじゃないか!」とルイスに聞いたら「その通りだ。今現在も使われているよ」と答えてくれたそうです。
そういえば、マチュピチュでも、線路の上で開いている露店を見かけたそうです。電車が来る時間帯に道を空けるのだろうか、それとも電車が見えたら道を空けるのだろうか?びりー君には興味があったそうです。
また、ここにも犬がいっぱいいたそうです。食肉を扱っている露店の前や横を平気ですり抜けます。嫌がる人がいるかと思うと、誰もそんなの気にしてないのが表情でわかるそうです。犬は犬で、腹をすかしていて目の前にたくさん肉があるのに、グワッとガブリつくようなことは決してありません。ただものほしそうな一瞥をくれるだけでその前をとぼとぼと走り去っていくのだそうです。
彼女の実家はクスコにあるそうです。歩きながら彼女が話してくれました。家ではアベーハを飼っているのだそうです。アベーハ?なんだっけ?そうだ!ミツバチのことだ!と、びりー君が思い出す前に、彼女は、自分の頬に指先でなぞってジージージーとミツバチが頬をくすぐるしぐさをしました。