そのとき離れた所にいたルイスが、びりー君のそばに近づいてきました。
3人の少年たちはびりー君が1人出ないと気が付いたからでしょう、無関心を装ってどこかへ消えて行ったそうです。南米一人旅も今度来るときはそうしたいなと思っていたそうですが、いっぺんに自信がなくなったそうです。
ナスカで知り合った高橋君は一人でいろいろなところを旅していました。ボリビアまで旅した事があったかどうかは知りませんが単独行動はできるだけしない方が安全だという事です。
すれ違いざま、びりー君は思いっきり気持ちの悪い顔をして彼らをにらみつけたそうです。
ルイスと彼女は話をしていました。彼女は今晩どこのホテルに泊まるかまだ決めていないという事でした。びりー君たちが危険な人達じゃないとわかったらしく、びりー君たちと一緒のホテルに泊まることにしたそうです。
ルイスがバスターミナルの中のオフィスで手ごろなホテルを見つけてくると、びりー君たちと一緒のタクシーに乗り込んだそうです。
彼女に聞くと彼女はこれからボリビアのコチャバンバに行くそうです。1~2週間ほど前にあそこで大地震があったから、被災者救援のボランティアに行くということでした。びりー君たちも「一緒に行かない?」と誘われました。しかしびりー君たちは「これから行くところがあるから」と断ったそうです。
このときの話をびりー君がネットに掲示したら、地震があったのはコチャバンバの近くのアイキレと言うところだと教えてくれた人がいたそうです。コチャバンバもかなり揺れたが、被害はなかったそうです。
実はその地震の事はびりー君も日本で知っていたそうです。ボリビア人の知り合いにインターネットでボリビアの新聞をダウンロードしてあげてあげていた時気が付いたそうです。彼女は「ボランティアで手伝いに行こうとしている」 と言っていましたが、なんともアメリカ的だなあと思ったそうです。それにしても女一人でよくこんなところへ来るなあと感心したそうです。
今はインターネットも大分発達してきましたが、びりー君が南米に行った1998年当時はまだやっと巷に普及してきた技術みたいでした。
エルニーニョの影響でコロンビアに大雨が降り、川が氾濫したという記事があちらの新聞ER PAISのホームページに載っていました。それをコロンビアの友人に見せてあげたら、彼は大慌てでコロンビアの自宅に国際電話をしました。電話を受けた彼の母親は「確かに、川が氾濫して、水が膝の所まで来て大変だけど、どうしてそんなことをお前が知ってるの?」と驚かれたそうです。
5分ほどで、目指すHOSTAL REPABLICAに到着しました。古めかしいたたずまいでしたが、びりー君はそれを落ち着いた雰囲気だなと感じ、悪くは思わなかったそうです。ルイスは不満たらたらで愚痴をこぼしていました。