「7月6日の出来事を7日に綴り始めたのは7日だったが、もう書いているうちに9日になっている。空いた時間に思い出しながら書くんだが、これが結構しんどかった」と、びりー君は言ってました。ほんの数日前の事なのに、思い出すのに骨が折れると。
日本から持ってきたビタミンサラダと言うクッキーを食べながら書いていたそうです。気圧が低いせいで、カロリーメイトやビタミンサラダの袋はパンパンになっていたそうです。しかし全部が全部そうと言うわけでなく、そうなっていないものもあり、どういう事なんだろうとふと考えたそうです。
7月7日
クスコ2日目、 セックスに疲れて眠る二人と別の、もう一つのベッドでびりー君は眠れず悶々としていたそうです。二人の事を考えるとなんともやりきれない思いだったという事です。
一体彼はどういうつもりで彼女をこんなところに呼んだのか?友達のアパートが借りられなくなったなんて調子のいいことを言ってそれはホテルを使いたいための口実ではないか。最初からホテルを使いたかったんじゃないのか?ご丁寧にダブルベッドが2つあるし。
高橋君が言っていた「あなたは人を信用しすぎる」と言う言葉が今更のように思い出されてきました。しかし、まさか自分が寝泊まりしている横でホテルの浮気をするために地球の裏側から自分を呼んだなんてことは無いだろうし考えすぎだろうとびりー君は思いました。
「ここはこのままズルズルいくと、この先思いやられるな。タクナに妻子がありながら浮気をして僕が寝泊まりしている横に悶えるスッチーの美女がいる。」とびりー君は思いました。
こういう事をしてもらって一緒の部屋に寝泊まりし、しかも部屋代は僕持ちと言うのはあんまり気持ちのいいものではない。また、自分のコネでかなり安くなっているツアーの代金も本当にそうなのか信じたくなくなってきた。
そこで、今後こういう事がたびたびあると困るので、びりー君は彼に一言言うべく、辞書を引き引き、スペイン語で文章を作ったそうです。
「セックスをするなら、別のホテルを取ってやってくれ。きれいなスチュワーデスを連れ込んで、僕のそばで君がメロメロにするのを聞いているのは変な気分だ。南米旅行だって、日本から予約すれば、君のコネを使うほどではないかもしれないが、それなりに安くあげることはできるんだ。今後こういう事をするなら部屋代の半分出してくれ。」
ぐっすり眠る彼女のわきで、眠りから覚めた彼に渡して読ませたそうです。
彼は、「アナタ トモダチ、 ワタシ ワルイ、 サケ ビール ペルージン イッパイ、 サケ ダメネー」と、どうやら、酒のせいにしてこの場を逃れようとしているみたいだったそうです。
まあ、別に、責任逃れをしてもらわなきゃならないほどびりー君も怒っているわけではなかったそうで、むしろこういうハプニングがあったほうが旅は楽しいと思うという事でした。それでもやはりけじめはつけなきゃいけないと言う事だったそうです。
パイロットっていいな・・・