H27.10.18日
木曜に問題があった。サッカーの体育館練習後、体育館を閉めたが、息子の荷物がない。まだ体育館の中だ。みんなを待たせて、またカギを開けてもらい、取り出した。僕も、息子も、みんなに謝った。しかし、息子の謝り方に力がない。あまり謝りたくないようにも見えた。
帰って、パソコンゲームに飛びつく息子と話し合おうと思った。しかし、元気がない。彼の顔を覗き込むと、涙でいっぱいだった。これには何か深い事情がありうそうだと思って聞いてみる。
荷物は、誰かが中に持って行ったんだ。
そんな事だったのか!と、パパやママに事情を話しにドアを開け体育館に走っていこうとした。
すると、息子に「やめてくれ」と止められる。僕も頭を冷やした。
しかし、放っておくと事態が悪化しかねない。やっぱり、みんなの中で問題にした方が賢明だ。
僕は息子の不祥事を詫びる文章をラインに流した
先ほどは息子の失態で、皆様の時間を無駄にしてしまって申し訳ありません」と謝罪の文章から始めた。
ところが、と続ける。そして、息子とそのことについて話し合おうとしたら、突然息子が泣き出したことを明かし、どうやら水面下の事情があるみたいなので、もっと気持ちよくサッカーができるようにしてくれとお願いした。
「自分の勘違いじゃないのか」と、息子に確かめてみる。ほかの子に教えてもらった通り、置き忘れである可能性があることも分かった。しかし、日常ボールを遠くにけられたりと言う悪ふざけがあることがわかった。ラインの返事で、ふざけているつもりで、いじめているつもりはなかったと話してくれた子もいた。
かように息子が隠されたと感じるに至った原因があり、そうであれば素直に謝れなかった原因はむしろほかのチームメイトにある。
やられている息子にしてみれば、それが何回も続くようであればいじめととっても仕方がない。僕も、たまたまほかの子が、息子にそうしたのを目撃したことがある。かなり前の事だ。それから延々と同じようなことが、毎回練習の終わりにあったとすれば、やっぱり、精神的な痛みは大きかろう。
やったことがあると、正直に打ち明けてくれたその子は、もうやらないと言ってくれた。ほかの子からも反省の声がラインに載せられてきた。
金曜日に、事の顛末を子持ちの主婦の妹に話す。すると、「こういうのをラインに載せるとみんなからひんしゅくを買うよ」と言う話をされ、「お兄ちゃんになんかラインやるのは間違いだ」と言われた。
でも 僕は、これでいいと思う。結果はハッピーだ。それに、息子が傷つけられずに済むなら僕がひんしゅくを買うくらいなんでもない。
加えて、嫌な気分にされて学業に影響が出たら困る。論より証拠、息子が泣いたあの日はサッカー練習の次にやってもらおうとした課題が、そっくりできなかった。
モンスターペアレントでもなんでもよい。これくらいでモンスター扱いされるなら、モンスターにも普通の人間が結構いるなと言う感じだ。
11月2日に痛ましい事件があった。
名古屋市西区で1日午後、
同区の市立中1年の男子生徒(12)が電車にはねられ死亡した。
市教委は2日、 生徒の自宅から「いじめが多く、もう耐えられないので、自殺しました」などと書かれた遺書が見つかったと発表したそうだ
市教委によると、生徒は卓球部に所属し、今年4月の入学後、欠席もなく登校していた。
生徒の自宅の机の中から 「学校ではいじめが多かった。部活では弱いなと言われ、耐えられないので、自殺しました」などと書かれた遺書が見つかったという。
お父さんは、テレビのインタビューにしっかりした口調で答えていた。自殺の直前に電話で会話したと言う。
お子さんは早まりすぎた。どうして両親の前で思いっきり泣かなかったのだ!
親御さんは、息子のいじめ自殺という事実に直面して心は張り裂けんばかりだろう。多分うちの息子と同じように、争いを好まず、真面目で、やられてもやり返さずそのまま受け止めてしまうところがある子だったかもしれない。
目に入れてもいたくないと言うんですが、本当に自慢のできる息子でした。
僕も、もし、自分の子供がいじめを苦にして自殺してしまったら、この父親とまったく同じ気持ちになるだろう。
うちの場合は、こんな兆候を僕が目にすることができて幸運だったのかもしれない。