珊瑚の伝説 四部 11話、復活のアレックス。「ラストレジェンド」(百九十五話)

 

 

女どうしを殺し合わせ戦わせる里があった。
女どうしが戦う場、ここは忍びの里である。
そこに突如勇者は現れる。
この戦いを今すぐ辞めさせろ、さもなくばこの里を滅ぼす。
そういうとものすごい強い覇気が響き渡り戦いの場をしずめるかのごとく戦いを終わらせた。

それから数年後、勇者はこの里で殺しあわされていた少女と結婚し子供を授かっていた。
今の幸せがあるのはあなたのおかげです。
そういって喜ぶ妻。
勇者は言う、子供が生まれたら里を出よう、君に世界の広さを見せてあげる。
こうして子供が生まれ勇者とその妻は里に子供を託し里を出て世界を旅するのだった。

そんな話を聞かされる楓だが
その話には続きがある。

里に託された勇者の子には傷の紋章があり、それが勇者もこの時はまだ知らなかった傷の紋章の脅威と恐ろしさを。

この忍びの里と語り継がれているものこそ本当はエルフの里である。





場面はポリスの本部 ミネルバで みんなが集まっていた中
 アマテラスがアレックスの珊瑚の涙を触れながら瞑想していた。


ポリスの太一さんが 親方様に祈りをささげている。



ヒガナという女性が 本気なのですねと心の中で思う。

この場所には。

神選組の皆様である。
天邪鬼と
青米さんと
ヘラクレス
信長
茜さんと
ポリスの隠しであるシスターズが集まっていた。

(この時ジンと大嶽丸と忍野さんは地球で残っている)

珊瑚がアマテラス親方様 そこまでしてくれてと言って見つめる
子供のラウルとルカが母の珊瑚に手を握られ
ラウルが母の珊瑚に優しくなでられて。
ラウルとルカに 

よく見ておくのよ ルカもこれがあなたたちの中でも一番嬉しいことになるから。
と言った。

アマテラスが瞑想しながら

親友のロギ・アルフに対して思っていた。

 ロギ・アルフ
短所や欠点といったものは それが足を引っ張るものだと自分がそう思った時だけそうなるのです。

成功のために必要なものは何時だって 踏み入れた中ですべてあなたの手の中にある

何事も物足りないくらいの小さなコツコツから始めるのです
何もしないでいるより何かをしましょう
一つ頭で自分が楽しくなるような夢でもいいのです
とにかく小さいコツコツを始めましょう。

そして 間違いから学びましょう
良い時も悪い時も関係なく 自分をなにより好きとなり ひたすら歩み続けるエネルギーが大事なのです。

自分が例え惨めに引け目を感じることがあったとしても 長い目で見たらそんなものはなんの意味もないのです
そして、相手の都合を無視して愛されたいと願うのは良くないのです。


アマテラス親方様が ふと覚悟を決めて 真剣な顔で話をした。


皆様

落ち着いて。
先入観を持たず心を開いて前進を続けれるために
聞いてくださいな。


集まっていたポリスの神選組と太一さんたちが親方様と頭を下げる
そしてアマテラス親方様の話を真剣に聞くのだった。

結論から言いましょう。
この先の未来に、禁じられた未知のもの、つまり魔法を使い世界を滅ぼす悪の魔王が復活するでしょう。

魔法って?
それに魔王ですって?
そう言われ同様する周囲。

しかし構わずアマテラス様はつづけて言った。

ですが、すぐに皆様の中にもその魔法を扱える者、つまり傷の紋章を持つ勇者が現れるでしょう。
そうしたらためらわずその勇者を受け入れてください。
こうして
魔法を受け入れる意識をしましょう。

周囲がざわめく中、再びアマテラス様はつづけた。


確かに、いきなり魔法だとか魔王だとか言われてもピンと来ませんね。
ですが
魔法とは恐怖の対象として封印された未知の力。

それはどういう概念かと言うと。


一般的には
死んだ人間が生き返るわけないでしょう
常識的に考えて
ですがそんな常識にとらわれた頭の中ではこの先、一生殻を破ることはできないのです。
長い歴史の中、勇者は魔王を倒しました。
けれど魔王の復活と魔法での争いはその魔法を扱えぬ人々には恐怖の対象でしかなかったのです。

それを受け入れず恐怖の対象として封印する事で恐れていた魔法使いを無くしてきたのが事実。

こうして魔法を無くし、忘れ去ったのが現在です。

ですはその背景の真実は、再び魔王を復活させぬようにするためなのです。


ですが
神を恐れないでください。

そうやって人類の歴史は失敗ばかりですね。
ですが

私にとって失敗は恐怖に負けてしまうことだけです。
だから
失敗は成功へのプロセスの一部なのです

だから 皆様 魔法がいかに未知であり禁じられたものであっても、魔王に負けて闇に落とされても、希望を信じて生き抜いてください。


そのためには


(する)のでなく(なる)ということをよく覚えてくださいです

集まったポリスの者たちが魔法と言う概念を言われ固まる中アマテラス様は頭を下げた。



私は頼もしい者たちとともにいられてよかったです

そういってアマテラス様は微笑み続けた。


私は神の力を使っても許せる世界を目指しました ですが結果的に上手くは行きませんでした ですが私は頑固な神様とは違います


だから私が皆様が幸せになるために神の技を使いその結果がどうなろうともそれを扱わずにいるだけの存在ではないのです


ですから恐怖に負けることはなくただ自分を信じて前進します



今まで生きてきた中で私の存在は確かにポリスにとってすごく重要な存在でいられて本当に嬉しかったです。


太一さんがそういうアマテラス親方様に
 親方様 覚悟が決まったのですね
と言うと

アマテラス親方様が太一さんに微笑み
 あなたならきっと良き指導者となれますよ
と言う

ポリスの神選組は察して黙っていたが 天邪鬼が
 親方様 あなた様がいなくなってはポリスが崩壊しますにゃ
と言うと

アマテラス親方様が いいえ 私がいなくなったとしても 私の意思は生きています
と言って
そしてアマテラス親方様が続けた

ですがこの先の未来で私はただ世界を滅ぼす魔王に太刀打ちできず、ただ魔王の手にかかりやられるのであればそれでは私は死にきれません。


だからこそ私が心を許せたこの人(アレックス)に私の命を使い 未来を託します。

ラウルがアマテラス親方様に
それって父さんが生き返るんですか?
と聞くと

アマテラス親方様はラウルに
あなたいつか来た明石宏くんと同じ強い意思がありますね
と優しく微笑み 

いつでも心を正しく自分を信じてくださいね
と言った


すると

珊瑚がそう言ってくれたアマテラス親方様に 
ありがとうございます
と涙を流すと

アマテラス親方様は
珊瑚さん あなたも立派な意思をお持ちです


ですが

彼にすべてを託すことは願いませんが 皆様はどうか
世界を平和に出来るように頑固な思考回路をやめて (何かをするだけ)でなく(理想のものになり継続出来る人間)となり
考えが柔軟となれるようお願い下します
それが
私の何よりの幸いであり未来のためだと信じています

だからどうか私がいなくなってもポリスはより良いものを目指して世界を守ってください。


そう言うと アマテラス親方様は虹色の光に包まれた




その光景は天にも登るような神秘的でものすごく美しい光景だった

ルカが
兄ちゃん なんだか天国みたいと言うと
ラウルが
そうだ 親方様 俺は父さんを大事にします
と言った

アマテラス親方様は
 ラウルくん あなたにはきっと別の世界での君とは違う道を歩めますと言って。

それでは これでお別れです
と言うとぴかっと光り出す

最後にアマテラスは ロギ・アルフ いつかあなたが私のためとか言ってくれた理想郷より私はあなたのことをいつも心配しています だから生まれ変われたときはあなたが正しい考えてあってくださいと願った





場面変わりアレックスは思い出していた。



それはいつか見た 酒呑童子との戦闘後、学校でクラスのみんなで作った。
大きなクリスマスツリーを完成させて ライトを光らせて見上げた時に
珊瑚と隣で立った時、珊瑚が見せた笑顔。

自分より背が高い珊瑚の顔を見上げる自分だったけど、その時見た珊瑚の笑顔が 俺はものすごく心に響いて 
大好きだなと思い それから俺は珊瑚が好きだという気持ちに改めて気が付いたんだったな。

ふと意識を取り戻した
アレックスは天国に試練を突破しててウリンのところに戻っていた。

優しく微笑むウリンにアレックスも優しく微笑み返す。

天使がアレックスにそろそろあちら側の準備ができたようだと言う様子で虹を出した。

ウリンがそんなアレックスに言った。
言ってらっしゃい。

手を振り言って来るぜと言うように強く歩き出すアレックス。


虹に包まれて。
アレックスがふと目を覚ますと 珊瑚がアレックスを抱き抱えていて涙を流していた。


お帰りなさい 
と言い抱きしめる珊瑚


そうか アマテラス親方様がしてくださったんだ
と言うアレックス

珊瑚 俺は戻ってきたぞと言って珊瑚に優しく微笑む


ラウルが本当にパパなの?と驚いていた

ルカがパパだよと言って駆けつける


アレックスが太一さんたちやポリスの神選組の方々に
ありがとう



俺は生き返った 生き返らせてもたった
これは どんなに素晴らしことでもあり それと同時にかけがえのない人の願いでもあった
しかしお館様は太陽のような希望の存在だった。
だからこれは俺が今こそ太陽となり希望となれるようにしなくてはならないのだ 
そう言って涙を流し アレックスが 
いつかアマテラス親方様が言っていた願いのために 俺が変わろう
そして変えるぞ。
と言うのだった。


場面変わり。


凛は治療を受けて寝ていた。

ここはどこだ?
ふと目覚め周囲を見渡す凛。
何処か知らない神秘的な海岸の近くにある見たことない古い建物の中であった。
その海にはリバイアサンという無印の伝説の島に行くときに出てきた海の怪物が凛を見守っていた。

頭が痛い。
ふと凛は頭を抱え思い出す。
黄河。
私はなんて事を。
凛は思いだし恐ろしくなっていた。

そこへ。
あー目覚めたんだねーお姉ちゃん。
そういって嬉しそうに駆け寄る少女のような姿の少年が出てきた。
それは楓だった。

ここはどこ?あなたは?
不思議そうに聞く凛に対して楓は答えた。
この傷の紋章でこの封印されし場所にあの竜が連れてきてくれたんだよ。
ニコッと笑い自慢げに答える楓。
そこへ一人のエルフの少女が現れた。
ようこそ、勇者様。
ここは封印されしエルフの里です。