T-34 レジェンドオブウォー | 晴れ、ときどき観劇。

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内臓がちぎれろ

 

 

 

(笑)

 

 

一部界隈で大変話題になっておりまして、見てきました。


ロシアの映画なんですけどね、そして第二次世界大戦中のソ連VSナチスドイツの戦車戦を描いた作品で、いや、めっっちゃくちゃ面白かったです!!!
戦車の狭さ、砲弾が当たったときの金属が鳴る鼓膜が破けるような衝撃、スコープを覗いて見える情報だけを頼りに緻密に組まれる作戦…本当にハラハラして、だけど必要以上に不安を煽ったりグロテスクな描写をするでもなくて、人物描写も細かくて魅力的で、うーーーん、ロシア、あなどりがたし…!
(考えてみればロシアも文学大国で芸術大国ですもんね…しかも独特の路線。でも本作はアメリカ映画的娯楽作品に仕上がっておりました、お見事)


ナチス側も本当に魅力的に描いているんですわ!敵国なんだけどね、すごく魅力的に描いているの。
これって大事だと思うんです。もちろん憎いだけの相手を爽快にボコボコにするという作品も悪くありませんが、その場合憎い相手に虐げられている時間が長くなるんですよね。笑
その点、相手も魅力的ですと、”どっちにも負けて欲しくない~><”みたいな感想を抱けるじゃないですか。
結果を知っていてももう1回見たくなっちゃうじゃないですか。ね。もう1回見たい。(いい加減にしろ)

 

戦車ってそんなミリ単位で動くの?とは思いましたが、この感想はハンターキラーを見たときにも思った気がします。笑
戦車乗りとか潜水艦乗り、きっと我々のような凡人には分からない感覚で機体を捉えて操っているのでしょうね…
そういう”職人”の世界、しかもその中でも超スペシャリストの世界、非常に興味深くわくわくしました。

 

しかし、本当に、地図ってすごいんだな…!
グーグルマップって平和な世界(おおむね)だから成立してるし、これだけ精緻な全世界の地図が全世界に向けて公開されていたら、平和を維持せざるを得ないわ。
やはりその”情報が抑制されている”、”技術が制限されている”、みたいな条件が作品を面白くするんですよね。
これは恋愛映画でも同じで、電話が行き違って二人が会えないとか病気とか身分の差とか、何らかの制限とか抑制がないと面白くない。戦争映画だったら過去を題材にするか、まったく新しいエリア(潜水艦だと確かに領海の正確な海図って他国は知り得ないよな…とハンターキラーで思いました、あれはアイディア勝ち)に打って出るしかない。
今回は戦争もの、過去、ということで限られた情報と技術で戦う人々の姿を描いており、要するにひじょーーうに面白かったです。

 

唯一不要だなって思ったのが恋愛の要素なんですが、それも無理なく本筋に絡まっていたので取り除くとなると大工事になるし、まあ良しとします。(えらそう)

 

言葉(ロシア語とドイツ語)が1ミリも理解できないのも、映り込む文字が1ミリも理解できないのも、新鮮だったな…
冒頭の「内臓がちぎれろ」、ナチスの大佐に呼ばれてソ連の少尉(もちろん戦争捕虜で、無茶な任務を無理やり引き受けさせられてる)が彼の部屋を訪れ、乾杯をするシーンで、お互い言葉が分からないから通訳を挟んで乾杯の挨拶をするんですが、少尉が放った言葉です。笑
そして通訳のアーニャちゃんは「あなたの健康を祈って」と大人の配慮でナイス誤訳をします。
みんなね、作品の内容は教えてくれなくて「内臓がちぎれろ」としか言わないから、なにかと思ったわ。笑

 

うん、本当に面白かった!時間があればIMAXも見たいところですが…難しいかな…

 

では、次は武蔵野の昼下がり。