花組 ハンナのお花屋さん 10/26ソワレ(赤坂ACTシアター) | 晴れ、ときどき観劇。

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30代OLの日常ときどき観劇、たまに旅行

 

 

優しい時間が流れる物語。

 

 

 

 

 

 

観てきました…泣いてきたぜ…。

 

わたし、高校生と大学生のころ鎌倉に行くのが好きだったのですけれど、北鎌倉に葉祥明美術館というのがあって、その方がこの作品がオマージュしている「地雷ではなく花をください」のイラストレーターだったので、絵本のことは存じておりました。

うさぎのサニーちゃん云々は置いておいて、その「地雷ではなく花を」の部分には切なさが込み上げてくる…それが、多くの人の願いであると同時に、実現はおそらく不可能だろうと思うからこその、切なさなのかな。

なので、このテーマだけではおそらくそんなには泣けなかったのですけど。(もちろんミアの弟が亡くなったとか、そういう人の死に直結する要素では泣くんですけども)(安涙なのでね)

 

「ハンナのお花屋さん」、いくつかのテーマがあって、

 

・家族のあり方

・人生

・戦争と平和

 

このうち、わたし、上の二つがドンピシャに当てはまって、それも相俟っての滂沱でした。

まあ一つめについては楽しい話じゃないので割愛しますが、人生…そう、人生。34歳で、仕事も順調なクリス。まあ生まれも育ちも普通だし気品もないし美しくもなければ歌えないし踊れないけど、31歳でそこそこ順調に仕事をしている私と、重なる部分がたくさん…た…たくさんあると思って観ていたけど今考えたら特に重ならないことが分かりました。しーん。

でも、さ。なんでもある都会で、たくさんのいい人たちに囲まれて生きていながら、たったひとりの大切な人に巡りあっていない気がする、たったひとつの帰れる場所がないような気がすることって…誰にでも一度は経験があると、思うんだなぁ。にんげんだもの。唐突なみつを

 

・クリス@あすみさん…、素敵すぎるだろーーーーー!!!この、ごくフツーな現代の男性の服を着て、ここまで素敵とは…。小柄で華奢で美しくて妖精みたいな容姿なのに、なんていうの…普通以上にモテてきたかっこよくて頭のいい男性、に見えて、正直言って…超ときめきました…し…ますます婚期が遠ざかりました…こんな気品があって美形で穏やかでお花が好きで子猫も好きで人柄が良い一途なイケメンがいるわけない…いるわけない…いるわけないんだから…ッ!

 あすみさん、閣下とか奴隷みたいな極端なお役でももちろん素敵ですけど、この等身大みたいな役…さいっこうに素敵でした。お店のみんなやお花を見ているときの優しい目も、ジェフと話すときのいたずらっぽい笑顔も、ミアと会話しているときの幸せそうな表情も、それからふるさとを想うときの少し陰った瞳も、なんか…もう…好き…クリスが好き…

 

・ミア@仙名さんは、一生懸命で、必死で、素直で…とっても可愛い…だけど、差しのべられた手に、目の前に落ちている幸運に、自分から手を伸ばせない…心に深い傷を負っているから。その傷ごと、クリスは愛したのかなぁ。いくらロンドンで学んでいても、コペンハーゲンの名家の出身でも、クリスの出自はあくまでも「デンマークの美しい森」で、だから都会のギラギラした女の子より…素朴な、怯えたうさぎみたいなミアを好きになったんだろうなぁ。なんだかとっても納得できる二人でした。

 

・クリスの両親、アベル@芹香さんハンナ@舞空瞳ちゃんもとても素敵だった~~~…回想と現実が重なる場面は本当に切なくて、もう涙がぼたぼた…。私の泣き方、汚い…。しかしよく考えるとハンナってだいぶ変わってますよね。でもそんなハンナを愛したアベル、実はもっと変わっているのでは…イケメンだけど…

 

・あと、もう、花屋の店員さんたちが個性的で素敵すぎたんですけど、これだけは言わせてくれ…クレタ島出身でブロンズの肌にゴージャスな金髪、太陽みたいな明るい笑顔のヤニス@飛龍つかさくんが…、す…好きだーーーーーッ!!!!!!!!!!望海さんのブリドリでぴよぴよしていたのが昨日のことのように思い出されるのに、なにあのイケメン…狙いすましたウィンク…チャラい動き…好き…飛龍つかさくんが好き…(こら)

 

・悪い人が出てこない作品って、いいですよね…。ハロッズ?の支配人?のエディントンさん@羽立さんも変だけど悪い人じゃなさそうだし笑、図書館の司書さんのローズ@真鳳さんも厳格なだけで意地悪じゃないしクリスのことが好きでチャーミングだし、アベルの奥さんのソフィア@白姫あかりさんも、エマ@じゅりあさんも、疑り深い私は悪い人なんじゃないかと邪推したのですがぜんぜんいい人だったし、…なんてほのぼのして優しい世界なんだ…!私もこんな優しい世界に住みたい…!!……待って私の世界も普通に優しいわ。なんだ。(良かったじゃん)

 

 

・もう、お話だけでも大満足、本当にめっちゃめちゃ幸せな気分になれる作品だったのですけど、そこに、さらにフィナーレがついちゃうという宝塚…贅沢すぎる…最高すぎる…。そして、これがなんとも、男役さんのお尻見放題という……幸せかよ…(変態かよ…)(そうです…)

 超かわいいマリメッコ柄のシャツも、非常にときめいたのですが、やはり…白パンに包まれた男役さんの、すらっとした長い脚!行方不明ぎみな小さいおしり!なんて美しい後姿なんだ…!!補正のあまり効かなそうなシャツ×パンツスタイルでも、もう、男役さんって本当にスタイルが良くてすばらしい…これを見ただけでも価値があった…そのうえでマリメッコとか、もはや神…

 

やはり作品が好きだったこともあり、大変楽しく過ごしましたし、フィナーレの尊さにはひたすらに拝むしかありませんでした。いやーすばらしかった。

 

一時期は再演地獄で…あまり積極的に観に行っておりませんでした花組さんですが…。

ちょっとここからいろいろ観てみたいな、と心から思いました。でもポーはいまだに興味ありません…(しつこいぞ宇田川)(すいません本当にああいう世界観苦手なんです、オタクのくせに…)

 

 

 

 

ではでは、次は私のオタク心のど真ん中にどストライク、小柳神のはいからさん!