朝、シャワーを浴びようと思って風呂場に入ると、シャンプーとかと一緒にりんごが二つ、整然と並べられていた。

僕は動揺した。

ウチは比較的へんなところにへんなものが置いてあるケースの多い家だが、それでもこれはレアケースである。

なにしろ、ものっすごい新鮮なりんごなのだ。





なんなんだ、これは…。どういう意味なんだ。
どうやって使うことを期待してこんなとこにりんごが置いてあるんだ…。




仮説その1:食用。

お風呂に入りながらりんごをかじる。なんとも優雅なひととき。


仮説その2:観賞用。

真っ赤なりんごがあったかい浴室のイメージにぴったりマッチ。


仮説その3:芳香剤として。

新鮮なりんごのフレッシュな香りで心も身体もリフレッシュ。


仮説その4:入浴剤として。

お好みに合わせて素手で搾ってお湯に入れれば、リンゴジュース風呂の出来上がり。リンゴ酸の効果で、お肌にもなんか変化をきたしそう。お湯を飲めば、うっすいリンゴジュースも楽しめますね。


仮説その5:風呂に浮かべるおもちゃ的な要素。

ぷかぷか浮かぶりんごと戯れながらの至福の時間。

ウチはなんかときどき柚子とか腐りかけのみかんとかを風呂に浮かべて柚子湯やらみかん風呂やらと銘打っていることがあるので、そのノリかもしれない。
でもこのりんごは新鮮すぎる気がする。


仮説その6:お風呂用具として。

身体をりんごで洗ったり、頭皮をりんごでマッサージしたり。
ヘチマのたわしで身体を洗う的なあれ。


仮説その7:ボディーソープとして。

その場で擦りおろして身体に塗りたくれば、なによりも新鮮で贅沢なボディーソープが楽しめます。リンゴ酸の効果で、お肌にも何らかの変化をきたすでしょう。


仮説その8:シャンプーとして。

その場で擦りおろして毛髪に塗りたくれば、なによりも新鮮で贅沢なシャンプーが楽しめます。リンゴ酸の効果で、頭皮にも何らかの変化をきたすでしょう。


仮説その9:性的なモニュメントとして。

なんか真ん丸なりんごが二つなあたり、相当な手練れであれば卑猥な妄想に使えそうです。
瞑想を繰り返してたゆまぬ努力をすれば、おっぱい的ななんかとして見ることもできるでしょう。

しかしそういう目的でこのりんごがここに置かれたとすると、犯人は父か弟になるわけで、家族がそんな手練れだとは信じたくありません。
てかりんごで妄想するくらいなら動ナビにいったほうがいいでしょう。


仮説その10:話し相手として。

「へぇー、りんごちゃんたちは兄弟なんだー。どっちのほうが甘いの?あー、やっぱりまだお兄ちゃんのほうが甘いんだー。弟くんも頑張ってね(笑)」


仮説その11:置き忘れ。

しかしまず風呂場にりんごを持ち込む用事が思い浮かばない。


仮説その12:握力を鍛えるため。

握力が50キロくらいあると、りんごを握りつぶせるらしい。


仮説その13:そもそもこうやって家族を悩ませることが真の目的。

現に僕は頭とか身体とか洗った気がしないほどこのりんごが気になっているわけで、それが目的だとしたら犯人はなんとも悪い奴である。


仮説その14:というかりんごが自分でここまで辿り着いた。

それは怖い。


仮説その15:意味はない。

そもそも全てのことに意味はないのかもしれない。色とはすなわちこれ空である。全てのことに意味はなく、全てのことには意味があるのであって、あらゆる意味のないことに意味を見出だすのは人間であって、うんぬんかんぬん…
















そんなこんなでだらだらと風呂に入っていたら、今日も遅刻ですな。