新人期間工が入ってきた。
ようやく満了が近づいてきた実感がする。
20歳代後半ながら3回目のスパイラル期間工だ。
3回とも田原工場だがなぜか同じ部署は1度も無いらしくここも初めてなので、1から教えることになった。
月曜日の午前中は俺の作業を見ているだけだったが、午後から突然GLに呼ばれて終了間際に帰ってきたため、今日が実質の初日みたいなものだ。
今日も午前中は見ているだけだったが、昼休みに
「大変そうですね~ライン作業って・・・」
彼は今までライン外作業しかやったことが無く時間に追われて仕事をするライン作業は初めてだった。
午後からは彼に一度やってもらうことにした。
注意事項は特に言わずにただやらせてみた。
先週からタクトが遅くなってるので、もしミスをしても俺がすぐに直せると思ったからだ。
作業を始めて10分あまり・・・まだモノは10個程度しか流れていないのだが、彼は顔から玉のような汗をかいて全身ずぶ濡れ状態になる。
そろそろ遅れ初めてきたので替わろうと思ったが、後工程の者がひもを引っ張ったらしくラインが止まった。
職制がやって来て
「おいっ、全部不具合だぞ!」
最初からミスが出ているとは思わなかった。
今度は俺が作業をし、説明を加えながら彼に見せた。
そして彼に替わる。
こんどはミスは無いのだが、いかんせん速度がぜんぜん追いつかない。
10個程度流れたところでラインに追いつけなくなる。
俺も最初はこんなだったのかなぁ・・・と懐かしむが、以前はもっとタクトが早かったので今のほうが楽なくらいなのだが・・・。
休憩時間、彼は汗びっしょりで自販機のジュースを買いに行った。
「見るのとやるのとでは大違いですね・・・」
俺も最初に思ったことだ。
1時間の残業後終了したが、彼はまた自販機に走り500mlのペットボトルを一気飲みした。
明日からは彼1人でさせるように職制から指示を受けた。
俺は後ろで見ているだけでいいそうだ。
いよいよ終焉のときが来た気がする。