牛丼の松屋に行った。
ココは食券を買わないといけないので、どんなにテーブルが空いていてもまず食券販売機の前に並ぶ。
俺の前に小学生くらいの子供を2人つれたお母さんがいた。
こどもは「牛丼!牛丼!」と叫んでいたが母親は「牛丼以外にしなさい!」と、なぜか牛丼を避けていた。
なかなか決められないらしい・・・。
1分くらい子供が迷っていると、後ろの方にいた中年のおっさんが
「早くしろよ、後ろ見てみろ!馬鹿!」
と怒鳴りだした。
後ろに10人くらい並んでいてその列が店内の壁に沿ってずらーっと立っていた。
昼飯時なのでたくさんの客が待っていた。
母親は「すいません」と言って商品のボタンを押すのだが食券が出てこない。
3人分で1050円なのに1000円しか入れていないのだが、気づかずに必死で押している。
もうあせってるのは見てわかる。
「あのー50円足りないですよ・・・」
すぐ後ろにいた俺はたまらず助言した。
母親は恥ずかしかったのか黙って50円入れて、結局牛丼を買った。
このお母さんテーブルに座っても周りを気にしながら、子供に食べ残させて急いで店を出て行った。
・・・10年以上前、まだ吉野家に牛丼しかメニューが無かったころのこと。
店に老夫婦が入ってきて店員に
「メニューを見せてください」
と言った。
店員は「並み、大盛、特盛りがあります」と言ったのだが、その老夫婦
「どのくらいの量があるのですか?私達のような年寄りでも食べ切れるでしょうか?牛丼以外は無いのですか?」
などと延々質問を繰り返していた。
店は忙しそうだったので、店員は早く切り上げて他の応対をしたかったのか、
「並み、大盛、特盛りの3種類ですが!!」
と怒鳴るように言った。
「じ、じゃあ並みを1人前」
「1人前でいいんですか?」と店員。
「はい、それだけでいいです」
その老夫婦は1つの牛丼を2人で食べていた。
牛丼屋、されど牛丼屋・・・さまざまなストーリーがある。
来週は最後の2直勤務。
午前中は荷物整理の日々になるだろう。