詐欺や悪徳商法と同じ手口。統一教会の元信者が間近で見た、教団による「周りに相談させない状況」の作り方

2024.06.30

 

今年2月の第7次に続き、6月26日に旧統一教会に対して損害賠償を求める第8次集団交渉の申入れを行った全国統一教会被害対策弁護団。これまでの請求総額は53億円以上となっていますが、被害回復は遅々として進んでいないのは周知のとおりです。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』ではかつて自身も旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田さんが、現在も被害を生み続けている教団の「意図的な口止め」の手口を取り上げ、その工作手段を「詐欺や悪質商法業者と同じ」と断言。さらに旧統一教会と真正面から対峙する鈴木エイト氏が明らかにした、教団による「高齢者ケア状況調査表」の内容を詳しく紹介しています。
 

元信者が激白。「不起訴合意」の念書は、旧統一教会「口止め手法」の延長とみる理由

1.判断基準を不当に変容させる要素「正体隠し」「助言の遮断」「不当なつけ込み」の提言

旧統一教会の被害者への返金がいまだに、なされない状況です。それどころか、信者らには、430代の先祖解怨をすることが求められています。もちろん、これには多額のお金が必要で、今回の第八次集団交渉に参加している宗教2世らのように、家族被害が深刻な状況です。

何より、これはこれまで外部に向けられてきた霊感商法が、内部(教義を信じ切った人たち)に向けて行われているといえます。

すでに多くの献金をして疲弊している信者らも多く、より困窮状態になることはみえています。もうこれ以上、被害者も被害者家族も信者も苦しめないでほしいと願う気持ちですが、この状況は続く恐れがあります。本来ならば、不当寄附勧誘防止法などによって規制してほしいところですが、畏怖困惑して行った寄付行為が罰則の対象ゆえに、十分な救済ができない形になっています。

 

この状況を踏まえて、昨年、日弁連の霊感商法に関するワーキンググループは「霊感商法等の悪質商法により個人の意思決定の自由が阻害される被害に関する実効的な救済及び予防のための立法措置を求める意見書」を出しています。

そのなかで「判断基準を不当に変容させる要素」として、これまでの裁判における事実認定から「正体隠し」「助言の遮断」「不当なつけ込み」をあげており、不当寄附勧誘防止法の2年後見直し及び、消費者契約法にそれらの禁止を設けるよう提言しています。

 

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