皆さまこんにちは。
大変ご無沙汰してしまいました。
大して何の更新もできていないにも関わらず、
気がつけばフォロワーが100名くらいになっており、
大変恐縮しております…。
すいませんもう少し頑張ります。
現在IN YOUライターというよりも、
編集部のお手伝いをさせていただいており、
ブログがすっかりお留守になっていました。
日々言いたいことばかりたまっていって
どこかで吐き出さなくちゃ、という感じです。
それでも料理は毎日やっていることなので、
クックパッドの方は案外まめに更新しています。
https://cookpad.com/kitchen/22043224
それから娘に触発されてインスタ始めました。
https://www.instagram.com/mg08202012/
さて、編集のお仕事というのは、
単に自分が記事を書いてる時以上に
様々な情報を目にする機会が増えます。
信頼のある情報にしていくためには、
エビデンスが非常に大切になってくるのですが、
そういうことばかり気にしてきたせいか、
かえって
「いや、もっと本質を考えていきたい」
と感じるようになりました。
たとえば、食品添加物。
身体に悪いから控えるべきという意見もあれば、
それは誤解だ、大量に摂らなければ安全、
私たちの生活に必要不可欠といった意見もあります。
…こういう議論って、
はたして決着はつくのでしょうか。
しかし、
身体にいいか悪いかだけにとらわれるのではなく、
もっと本質的な問題があると思うのです。
一口に添加物と言っても、
◆食品の腐敗や変質を防ぐ
(保存料、酸化防止剤など)
◆見た目、味、香りをよくする
(着色料、香料、調味料、酸味料など)
◆製造や加工に必要
(増粘剤・凝固剤・膨張剤・乳化剤など)
◆栄養強化
(ビタミンC・Eなど)
このように、様々な役割があります。
考えてみてください。
これらを使った食品が安く簡単に買えるということは、
昔の人たちが当たり前に持っていた
生きるための食の知恵、
時間がない時は手早く、
手間をかけられる時は存分に手間をかけ、
季節に合わせたり、今あるものを
組み合わせたりしながら食を楽しむ術を
多くの人が手放してしまい、
子どもや孫に伝えることもできず、
毎日の食事について
創意工夫する余地がなくなり、
利用が増えるほどに
食生活が貧しくなるということです。
ほしい食べ物はいつでもすぐに手に入るので、
わざわざ野菜を干したり漬物にする人は
少なくなりました。
味噌や納豆などを手作りする人もほとんどいません。
お味噌汁にねぎなどの香味野菜やゆずの皮など、
四季折々の吸い口を浮かべる人も
あまりいないと思います。
毎日仕事などで忙しいからと
加工食品に多くのお金が費やされることは、
実は本来人間が持つべき
大切な能力や喜び、幸せが奪われ、
多くの食品メーカーに依存して、
彼らを潤わせているだけかもしれません。
手作りする人が増えると、
メーカーは利益を上げられなくなります。
これからもずっと、消費者には
食の知恵なんてない方がありがたいことでしょう。
「食のお困りごとはこちらで解決しますから、
お客様はしっかり働いて稼いで、
私たちの商品をぜひ購入してください」
という声が聞こえてきそうです。
私たちは、何のために働いているのでしょうか。
身体によいとはいえない加工食品やお菓子、
外食にかかる費用が浮くと、
もっと創造的なことができます。
これは、メーカーが悪いとかそういうことではなく、
結局自分がどういう生き方を選択するか。
そういう問題だと思っています。
スーパーマーケットを歩くとよく感じるのですが、
「本質的には無くても困らないような商品だらけ。」
イギリス労働者の様子が思い出されます。
過去に「砂糖の歴史」を追っていた時に
その事実に愕然としたことがありました。
サトウキビのプランテーションで奴隷を酷使することで、
砂糖は貴族だけの高貴な食べ物から、
庶民にも手の届く食品になりました。
イギリスの都市部には多くの工場が建設され、
農村から多くの労働者が流れ込んできました。
毎日朝早くから夜遅くまで、
分業化された単調な仕事に従事する労働者を
ストを起こさせずに真面目に効率よく働かせるには、
「砂糖入りの温かい紅茶(糖分とカフェイン)」
が欠かせなかったようです。
昔ながらの知り合いもおらず、
ただ自分の持ち場でひたすら黙々と働く
貧しい労働者たちにとっては、
休憩時間に配られる甘い紅茶と
甘いビスケットが何よりありがたく、
薄給では栄養のある野菜や肉は満足に買えず、
疲れて家に帰っても、
料理する心身の余裕や時間もなく、
まともな台所や調理器具もないため、
そこでも砂糖入り紅茶とパンが食事となり、
昔ながらの手作りの料理が忘れ去られたといいます。
たとえ彼らにお金があっても、
かつての高級品を自分たちも買えるという
ステイタスと、自分で野菜や肉を調理するより
手っ取り早く幸福感を得られるという理由から、
「砂糖」を買う方を選んだと言われています。
この頃の都市部の平均寿命は大幅に下がり、
産まれてくる子どもの死亡率が高くなったのは
当然だとも言えます。
奴隷の血の味のする砂糖は、
貿易によってヨーロッパへと送られ、
その砂糖は労働者を休みなく働かせる原動力となり、
一体だれが得をしたのでしょうか。
今も昔も人間って変わってないなと思います。
今だって、毎日働いて疲れ果てている人は多く、
不調を抱えた人は本当に多い。
コンビニスイーツが癒しという人も多い事でしょう。
日々忙しく働く現代人にとって、
添加物入りの食品は手軽で便利なように見えますが、
自分や家族にとって本当にメリットがあるのか、
安全性以外にも、別なところで
何か大切なものを失ってはいないか、
一度じっくり考えてみていただきたいのです。
こういうことは、添加物に限った問題ではありません。
人体にとって危険だ、安全だという枠組みだけでなく、
もう少し広い視野で考えてみてください。
必ず何か新しい、本質的な部分に
気がつくはずだと思います。



