新型コロナの感染拡大が止まりません。
「戦後最大の経済危機」とも言われ、
今後生活に困る人が大勢出るだろうと言われています。
そこで今回は、
生活に不安を感じている方々に向けて書こうと思います。
ほんとに、私にとってこれは他人事ではありません。
今でこそ「IN YOU」というWEBマガジンで、
なんだか涼し気にオーガニックネタとか
ベジタリアンレシピを執筆してるようですが、
もとはと言えば「生活困窮者」です。
十数年前に生活が追いつめられて
食べるのにも困ったために、
肉や牛乳や卵などをそぎ落とした結果、
気づけばほぼ菜食になっていたのです。
本当は私が働きに出れば早い話だったのですが、
お腹に次女がいたために、
自分のできることはと言えば、
生活費のコントロールしかなかったのです。
人生に無駄なことはないもので、
本当にありがたい経験だったと思います。
だから、
私の経験をこういう時に生かさずして、
いつ生かすのかと。
さて、先行きの見えない生活不安というのは
本当に恐ろしいです。
感染ももちろん恐ろしいですが、
生活不安はある意味もっと恐怖です。
思い出しても吐き気がするほど。
自分一人ならなんとかなると思えるものですが、
子どもを抱えていれば、
平静でいられるはずがありません。
でも、声を大にして言いたいことは、
『知恵でなんとか乗り切ろう!突破口は必ずある!』
ということです。
生活費を色々切り詰めに切り詰めて、
いよいよ食費まで…という状況に陥ることもあるかもしれません。
お菓子を切り詰めるくらいならまだかわいいレベルですが、かつて私が肉や魚まで見直すレベルになった時は、「肉も切り詰めなきゃいけないなんて…」と、絶望のどん底のような気分になりました。
でも、今の私であればはっきりこう言えます。
「ラッキー!!」
肉を毎日食べ、牛乳を毎日飲むような生活は、
今となれば「そこまでしなくてもいいんじゃないの?」と思えます。
実は食生活を見直すきっかけになるのです。
子どもがいるのであれば、
食事そのものを削るとか、
栄養レベルを下げることは
絶対にしないでいただきたいです。
それじゃあどうすればいいの?ということですが、
以下ポイントをお伝えします。
1:「ご飯・味噌汁」を中心に食事を組み立てる
よくドキュメンタリーや報道番組で「子どもの貧困」が取り上げられ、生活が苦しい家庭の食事風景が映されています。
よく見てみると、焼きそばなど麺類が多いという印象であり、そういうものを作るのであれば「ごはんと味噌汁」を固定化していただきたいです。
可能であれば、
・白米なら大麦など雑穀を少し加えて炊く
・分搗き米(7分づきくらいからだと始めやすい)や玄米を取り入れる
ということを実践してみてください。
大麦は水溶性食物繊維であるβグルカンが含まれるので、腸の調子がよくなり、免疫力の向上や食後血糖値の上昇を抑えることにもつながります。
分搗き米や玄米は、白米に比べて食物繊維・ビタミン・ミネラルが多く含まれるので、摂れる栄養は無駄にせずどんどん摂りたいものです。(ただし玄米は体に合う合わないがあります)
味噌汁については、顆粒だしとはサヨナラしてください。
微量栄養素が摂れませんし、味覚も狂います。
(合成だしと天然だしでは、舌の旨味の感じ方が違います)
削り節、昆布、煮干し粉末のうち2種類くらいをストックしておいて、だしを取らずに一緒に煮る方法で、ズボラ味噌汁を作ってください。(作り方はこちら)
味噌は、最低ラインとして、だし入りのものや速醸法(人工的に発酵を早める方法)でないものを選んでください。
おかずを作る余裕がない時は、冷蔵庫の残り野菜やわかめなどをたっぷり入れると楽です!
「天然だしとか味噌とか余裕がない…」と思われた方、肉を減らせば費用は捻出可能でおつりがきます。
2:お肉は毎日食べなくても問題なし!
肉は食べなくても死にません。
まず、そこの誤解・偏見を解消したいです。
どういうわけか、お肉が食べられないというと栄養不足になるとか、かわいそうとか思う方がまだまだ多いようです。
タンパク質やアミノ酸は様々な食材に含まれます。
お肉以外では、豆類や雑穀、そば、そしてお米にも含まれるのです。
自分の子どもの成長の様子を見ていて、背が小さめかなぁというのはずっとあったのですが、長女は中学に入ってからにょきにょき伸び出して、小学校時代は背の順で先頭か2番目くらいだったのが、中2でクラスの真ん中くらいにまでなり、今でも伸び続けています。
お肉を食べないと不安!という呪縛にとらわれていると、また何かのきっかけで買い占めが起こるたびに振り回されます。しかし、本来日本では今ほど肉を食べる文化はなかったんです。
私は別にアニマルライツの観点からベジ生活になったわけではありませんが、狭いケージで飼われている鶏や、妊娠ストールに入れられている豚を見た時に、「不健康な飼育法で生産されるものを食べても本当の健康にはなれないだろう」と感じました。
今日本で誰もがお肉を食べることができるのは、こういった飼育方法が採用されているからです。
日々グラスフェッドの肉や遺伝子組み換えでない飼料で育てられた鶏の平飼い卵、ジビエを楽しめるだけの余裕は我が家にはありません。
「肉は嗜好品」という扱いくらいがちょうどよいのではないでしょうか。
3、お肉や魚を使わなくても美味しいと思えるおかずのレパートリーを増やす
これはかなり重要です。
それまでお肉を当たり前に食べていた家族に、
突然肉なし料理が受け入れられるかというと、
なかなか難しいものがあります。
特に、食べ盛りの子どもや男性には「美味しさ」「味付け」に最大限配慮してください。
半分豆腐に置き換えてみるとか、肉と植物性食材を組み合わせるというのは大いに有効です。強行突破ではなく、常に『ソフトランディング』を心がけてください。
そうは言いつつも、私がこれまでベジ仕様でもうまくできたと感じるレシピはできるだけこちらで公開するようにしています。
★クックパッド:うちゅう食堂のキッチン https://cookpad.com/kitchen/22043224
随時更新中ですので、ご興味があれば時々のぞいていただけると嬉しいです。
4、「おやつ」を含めてトータルで栄養バランスを考える
生活に困ったら、
この際スパッと市販のおやつはやめましょう。
別に死にません。
それまでお肉料理が当たり前だった人にとっては、いきなりメイン料理が豆製品などに置き換わると
「ほんとに栄養足りるの???」
と不安になるかと思いますので、そういう時は、おやつを含めてトータルで栄養的に満足できるように考えるのがいいと思います。
そば粉や高野豆腐の粉末、おから、オートミール、ナッツ類など、三食で不足しているなーと思った栄養分をおやつで補うようにします。
栄養を補うことができる上に、市販のお菓子にかける費用が急に下がり、子どもはお菓子がないなら自分で作るしかなくなってくるので、実は良い事だらけです(笑)
5、ストック食材をベースに、旬の野菜や豆製品・発酵食品などを組み合わせる
ストック食材とは、
米・味噌・海藻類・削り節・乾燥野菜やキノコ
車麩・高野豆腐・乾燥ナッツや豆類・乾麺など。
とりあえずこれらがあれば安心で、
これにプラスして
旬で手頃な価格になっている野菜、
豆腐、油揚げ、厚揚げなどの豆製品、
豆乳ヨーグルト、ぬか漬け、梅干し、納豆などを組み合わせます。
野菜については「にんじん、玉ねぎ、じゃがいもがいつも冷蔵庫にないと不安」という方も多いと思いますが、その思い込みも一掃してください。(カレーや肉じゃがのイメージが強いのでしょうか)
旬の野菜は、その時が最も栄養価が高く、値段は安くなります。わざわざ旬でもなく、遠方から送られてくるフードマイレージの高い野菜を無理に買う必要はないんです。
6、食べられる野草はどんどん食卓に登場させる!
一寸先は闇、という時代ですので、
これは今後必ず身につけたいテクニックだと思っています。
詳しくは別の機会に譲りますが、
野草は、化学肥料を使って栽培された野菜にはない、
自然のミネラルバランスを取り込むことができます。
それでいて、大きな節約にもなります!
一時期、必死に食べられる野草を調べていたことがありましたが、結局は毒がなければなんでも使えるのです。調理法次第ではありますが…。
…色々と書いてしまいましたが、
特に難しいことはありませんし、別にものすごい食生活に変わるわけではありません。
例えばこんな感じで、超シンプルになってしまいます。
ある日の夕食。
◆油揚げ・ねぎ・椎茸のもちあわ丼
◆豆腐とわかめ、野菜の味噌汁
◆水菜の塩漬けとアミエビのごま和え
◆赤かぶの甘酢漬け(砂糖不使用、甘酒を使ってます)
ちなみに、「まごわやさしい」も意識しています。
我が家に5人の子どもたちがやってきて、その後も元気に過ごせているのは、余計なものをそぎ落とし、お金をかけすぎないシンプルな食生活によるところが大きいのではと思ってます。
これからもきっと困難なことが増えてくる時代になるんじゃないかと感じていますが、「毒をもって薬となす」という言葉があるように、食をはじめ自分たちの生活を見直す機会になります。
さらに元気で幸せに暮らしていけるように前向きにとらえていきたいですね☆






