「あなたが愛した記憶」
著:誉田哲也
興信所を営む曽根崎栄治の前に、
女子高生・民代が現れる。
十九年前に突然姿を消した恋人・真弓が産んだ栄治の娘だと主張する彼女は、
二人の人物を探して欲しいと依頼する。
半信半疑ながら栄治が調査を進めるうち、
民代は、
調査対象のどちらかが世間を騒がす残虐な連続監禁殺人事件の犯人だと言いだし……。
この子は一体、
何者なのか。
冒頭では主人公が刑務所にいる。
その時点で意外なのだが、
過去に遡り物語の本編に入っていくと徐々にその背景が見えてくる。
普通では考えられないような事柄も「もしかしたらあり得るかもしれない」と思わせてくれるような内容で、
プロローグを忘れさせるほど引き込まれた。
泣かせるタイプのストーリーではないのに後半は感情移入してしまい、
思わず泣いてしまった。
感動で泣くと言うより、辛くて泣く。
描写がリアルで読むのが辛い部分もあったが、
それもこの筆者ならではなのかなと思う。
哀しくも温かいラストで思わず溜息が洩れた。

