「海の底」 著:有川浩
4月。
桜祭りで開放された米軍横須賀基地。
停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、
喧騒は悲鳴に変わっていた。
巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、
次々に人を「食べている」!
自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、
彼らはなぜか「歪んでいた」。
一方、
警察と自衛隊、
米軍の駆け引きの中、
機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―――。
高校の頃に読んだ作品。
当時はただただ感服するばかりで深いところまで考えてはいなかった。
けど10年経って読み返せば物事の複雑さに気付く。
自衛官の感情を殺さねばならない辛さや、
子供たちの間の歪みの深さ、
人間を守るという目的は同じなのに手続きを踏まねばならない国のシステムのもどかしさなど。
自分はなんと浅慮だったかと思い知った。
また10年後に読めばまた違った感想が生まれるのだろうか。

