エコな都心農業 貸し菜園で屋上緑化 神戸  | 野菜人

エコな都心農業 貸し菜園で屋上緑化 神戸 

ヒートアイランド現象を防ぐ屋上緑化を応用し、実のなる野菜を栽培する貸し菜園として都心のオアシスにする。そんな一石二鳥の計画がJR三ノ宮駅東側の再開発ビル「サンパル」で進んでいる。駅前勤めなら昼休みに水やりができる好立地。スーツ姿で農業体験ができる“駅前農学”の拠点になるかも。

県立淡路景観園芸学校(淡路市)の教員や建築士らで作るNPO法人「KOBE楽農菜園」が9月から営業を開始。3階西側の広場(約900平方メートル)に、1個約1・8平方メートルの大型プランターを40個並べ、一般市民は月額4200円、企業など法人会員は6300円で貸し出す。

かつて広場はオランダ風車が目印の屋上遊園だったが、近年は集客力が落ち、風車は老朽化して3年前に撤去。広場の活性化策として、同法人の提案が採用された。

3月に始めた試験栽培では、台風の暴風で一部に被害が出たものの、コマツナやミズナなどが大量に収穫できた。現在はナス、キュウリ、トマトなどの夏野菜がたくましく育っている。

営業開始に向け、初心者講習会や多忙な会員の水やり代行などの支援メニューを準備中。未婚男女が土いじりや野菜の料理パーティーなどを通じて愛を育む「ハート会員」も今後募集する予定。

サンパルは空きテナントが増えており、同法人の正垣圭三副理事長(47)は「農産物の直販市など、農業関係のイベントでビル全体を活性化したい」と意気込んでいる。

菜園は土と水は無料だが、種や肥料などは有料。見学は要予約。

出典:神戸新聞