あの人の前で
あたしは素直になんて
これっぽっちもなれなかった。

どうやって自分の感情を出せば良いのか

どのくらい自分の意見を言えば良いのか

どこまであなたに頼って良いのか

何一つとして
分からなかった…。

それが
あたしとあなたの間に出来た
壁の原因?



「ビール樽持ってあげようか?」

「ゴミ捨てに行ってこようか?」

あなたはあたしにだって
優しい言葉かけてくれたよ?

でも全部

「大丈夫です」

って断ったのは私。

あなただって仕事してたから、
“悪いな”
って思って言ったんだけど、
今思えば
もっと素直に甘えて頼るべきだったね。



あの日…
あたし達の関係が壊れた日…

「ゴミ持ってくよ?」

「重そうじゃん」

「まだ仕事あるんでしょ?」

そう言いながら
あなたは俯きながらゴミ袋縛ってるあたしに
自分の手を差し出しながら、
優しい言葉かけてくれたの。


分かってたよ。

あたしの様子がおかしいから、
気を使ってくれたの。

あたしがあまりにも泣きそうになりながら仕事してたから
それを察してくれてたの。

でもあなたの優しさに
あたしは素直になれなかった。

意地張ったの。

強がったの。

あまりにも辛すぎて、
あなたなんかに頼りたくないって思ってしまったの…

素直に

「お願いします」

って言葉が言えなかった。

素直に

「ありがとうございます」
って言うことが出来なかった。

何であの時

「大丈夫です」

なんて言ってしまったんだろう。

何度も声をかけてくれたのに
あたしは全部突っぱねた。

それがいけなかったんだよね。

それがなかったら
もうちょっとはマシだったのかな...