
橋本紡さんの著作です。
自分は、同著者の“流れ星が消えないうちに”を友人に紹介され、この著者の作品をたびたび読むようになったのですが。それに加え、この人の作品が好きな友人のLiさんが貸してくれたことも大きな要因になっているのではないかと思います。
さて、流れ星が消えないうちにが大層気に入っていた自分でしたが、この本をそもそもLiさんから借りていたことを忘れていたという残念な事由により、読了することに時間がかかってしまいました。
さて感想。
この小説は、題名の通り9つの小説をなぞるように9つの物語が展開していく(?)という、面白いストーリーです。
縷紅新草、待つ、蒲団、あぢさゐ、ノラや、山椒魚(改変前)、山椒魚(改変後)、わかれ道、コネティカットのひょこひょこおじさん。の全九作品。(作者略)
+主人公の兄(禎文)が劇中で作るトマトスパゲッティのレシピ。
先日、コミー君の誕生日に作りました。
適当に味付けして、毎回違う味になるくらいがちょうどいいのか。と本書を読了して納得。
あの時は微妙な出来の気がしたけど、あれで正解か(笑)
主人公(ゆきな)の前に現れた、二年前に死んだはずの兄。
その二人で平凡に、時に切なく過ごしていくという。
非日常なんだけど、本当なら手の届かない日常を優しく送っているこの物語は、最後まで読んでみてかなり心に残るのではないでしょうか。
一度読んで全てが分かった後に、出来たらもう一度最初から繰り返し繰り返し読みたくなる、そんな温かい物語でした。
次回は読み止まっている、有川浩さんの“県庁おもてなし課”の話が出来れば・・・と考えています。
駄文失敬