ドラマは通常あまり見ていませんが、たまたま第一回を途中から見てしまった「町工場のオンナ」が、見逃せなくなってしまいました。
ゲージなどを作っている町工場を経営していた頑固だけれども人情溢れる社長(舘ひろしさん演)が第一回でガンで亡くなってしまい、紆余曲折あったものの、その社長の一人娘である有村光(内山理名さん演)が社長になって、四苦八苦するというストーリーです。
見どころは基本的には、元主婦がいきなり倒産寸前の町工場の社長に挑戦してボロボロになりながらも独特のアイデアとスピリッツで会社を立て直していくところなのだと思います。
しかし、自分がこの物語に惹かれている原因は、若い女社長の苦労話よりもむしろ、町工場の社員たちの「モノづくり職人の魂」を感じるところです。
特に、竹中直人さん演じる工場長の、第4回での演技は、感動のあまり涙がこらえきれなくなってしまいました。
地方の中学校でものづくり体験教室の講師を頼まれてそこで最後に中学生たちに対して「確かに、今は職人が経験と勘で旋盤を回してものを作る時代ではないのかもしれない、だが・・・」というように語りだしたメッセージに、思わず胸を打たれてしまいました。
あれは、誰が演じてもいいという役どころではなかったと思います。
竹中直人さんのような、熟練の名優だからこそ、あの味が出せたのだと思います。
また、ある若いエンジニアのエピソードにも、不覚ながら感動しました。
そのエンジニアは、お世辞にも頭が切れるタイプのキャラクターではなく、学校に来ても寝ているか漫画を読んでいるだけのつまらない日々を送っている学生でした。
しかし、彼の通っていた中学校に、「一日モノづくり体験教室」ということで、舘ひろしさん演じる当時の社長がやってきて、ボールペンづくりの指導をしたのですが、その体験教室が唯一、その学生さんが有意義だったと感じた授業になり、「卒業したらモノづくりの仕事をしよう」と決心し、その町工場に就職したという話でしたが、非常に共感を覚える話でした。
なお、その学生さんがダリア精機の面接試験にやってきたとき、社長はその学生さんのことを覚えていて、何も質問も説明もする前に「君は合格だ。君の目は、モノづくりをする人間のものだった。だから合格だ!」というシーンがあったのですが、非常に気持ちのいいシーンでした。
説明が後回しになってしまいましたが、主演の内山理名さん、素晴らしいですね。。
正直なところ、昔は内山理名さんという女優にあまり魅力を感じておらず、今回もなんでいきなり主演に抜擢されたのか分かりませんでしたが・・・今はこれ以上この役にはまる女優はいないのではないかとさえ思っています。
出演機会の多かった昔よりもむしろ、36歳になった今の方が、役者としても、女性としても、はるかに輝きを増しており、目力が強く、素晴らしい存在感です。
・・上記のように、舘ひろしさん、竹中直人さん、パワーアップした内山理名さん、柳沢慎吾さん、永井大さん、村上淳さんなど、素晴らしい俳優をずらりとそろえ、しかも主題歌が松田聖子さんということで、非の打ち所がないような布陣のドラマだと思いますが、いつもそうだと思いますが、NHKのドラマ(朝ドラ・大河ドラマを除く)はいくら作品が素晴らしくてもなかなか注目されることが少なく、もったいないなと思います。
あと2回で終わってしまうので残念ですが、毎回感情移入してしまうこのドラマ、最後まで目が離せません。