最近の教育では、「ただ先生が黒板に書いたことをひたすら写しているだけでは効果はない」とよく言われます。
確かに、自分が学生だった頃、ノートを一生懸命取っていた時期がありましたが、それが直接役に立ったという記憶はあまりありません。
また、物凄くきれいなノートを取る人が必ずしも成績優秀だったとは限らなかったように思います。
しかし一方では、「書くことで覚える」という学習方法は決して間違ってはいない、と指摘する教育学者も少なくないようです。
思えば我々は、小学生時代には「漢字の書き取り」を毎日のように宿題などで行い、漢字を覚えてきたと思います。あの「書き取り」は、確かに大変でしたが、漢字を覚えるために少なからず役に立ったと今でも思います。
その後、社会人になってからも結構な回数でトレーニングや講習などを受けてきました。
とりあえず、講師の方が話してくださっていることをただひたすらメモする、という方法はかなり昔にやめました。
結局、耳で聞いたことをそのまま手で複写しても、そこに「考える」というプロセスが入っていない以上、全く学習効果が期待できないからです。
しかも、一生懸命書き写したノートも、振り返って見直すことはほとんどありませんでしたから、本当に何のために「複写」をしたのか分かりません。
しかしながら、講師の方が話してくれていることをただひたすら聞いて、その場で理解するように努めて、その分メモなどは一切取らないという方法がベストだとも思っていません。
確かに、「その場で理解するために脳を回転させている」という意味では、複写行為でいっぱいいっぱいになるよりもずっとましだと思います。
しかしながら、「理解したつもりになっていた」というところで終わっていることも少なくないのではないでしょうか。
そこで必要なのは、「実践編」だと思います。
聞いて、考えて、理解して・・・そこで止めないで、今度は理解した内容を「使う」「出力する」というステップを踏むことで、かなり確実に自分の中にその知識が定着するはずです。
その「実践編」を、もっとも手軽で確実に行うための方法は、「理解した内容を、自分の言葉を使って、その場でノートに書くこと」だと思います。
「おいおい、ノートに書いてもしょうがないと言ったじゃないか」と言われるかも知れません。
しかし、ここで言っているのは、「聞いたことをそのままノートに写す」ことではありません。
ポイントは「自分の言葉で構成し直して、自分の脳から出力させるつもりで書く」ことです。
自分の言葉に置き換えている時、それは、今学んだ新しい知識を初めて「活用」してる瞬間です。
活用して、自分の力でアウトプットを作るのです。
これによる効果はかなり大きいと思います。
なぜなら人間は、自分で実践したことは忘れにくい構造になっているからです。
授業でノートを取ることも、会議でメモを取ることも決して悪いことではないと思います。
ただし、ただ複写するのではなくて、一旦自分の脳に定着させて、それを自分の言葉で出力するような形で書くこと。
それを心がけるだけで、その会議や授業や講習から得られるものが、かなり違ってくるはずです。