火付け盗賊改め方の頭、長谷川平蔵と、その密偵、小房の粂八とのやり取りに感動した「馴馬の三蔵」の回


ラストシーンで、結果は密偵としての役目を果たしながらも、その経過で平蔵に隠し事したことで自分を責める粂八


生涯に一度だけ惚れた女の敵討ちと思い詰めた結果であることを知る平蔵に、粂八は全てを話そうとするが・・・


「どれほど言葉を重ねても人の心を語り尽くすことは出来ぬもの。

それを口に出してはあじない、あじない

お紋(無くなった恋人)を胸の内で大切にしてやれよ。」

と、全てを聞かずに立ち去る平蔵


そして、その思いやりに涙する粂八


全てを聞けば、その行動を責め処罰しなければならぬかも知れぬ立場であり、何故、それほどの行動をとったのかを察することも出来た平蔵の最高の対応であると思う。


あじないは、味気ないということなのでしょう。

人の思い、人情、人生の機微、語り尽くせぬ思いであっても、自らの経験も含めて察することができる・・・というよりも信ずることが出来る相手と思うのならば、わざわざ言葉にしきれない辛い思いを言葉にさせる必要もない。


明日から、また、いつものように働いてくれよ・・・信頼も含めて、何も変わらないのだから、明日もいつも通りに。


そんな思いではないのだろうか?


あじない・・・良い言葉だなぁ。