「公平性を問う」、良く聞く言葉ですが公平の定義は?


法律を学ぶ際に初歩の時点での難問「公平とは何ぞや?」


所得税の税額が例題になることが多いように感じますが、全員一律に同じ金額を徴収するのは公平ですか?


大きく二つの考え方になると思いますが、負担という観点からは、個人の経済力で考えれば大きな経済力を持つ人にとっては負担が軽く、経済力の小さな人にとっては負担が大きくなるから不公平である。


しかし、収入を度外視すれば同じ条件であるから公平である。


この場合、、収入の少ない人は収入に基づいての徴収が公平だと主張するでしょうし、収入の多い人は均等額の徴収を主張することになるのは、それぞれが自分の利益を求めれば仕方の無いことですが。問題は互いの主張のどちらもが公平であり不公平であるところでしょう。


どちらにも一理ある主張の場合、それを否定して、どちらか片方に込めることには無理があるので、様々な形式での課税がなされています。


累進課税、定額の税制、使った分に合わせての消費税という具合に、複数の形式を成立させて、複数の公平性が、それぞれ成立するように考えられています。


法律とは、このように様々な条件をクリアしながら制定されているものであり、それぞれがメリット、デメリットを含みながら、最大のメリットを導き出そうと考えられているものですから、その一部だけを切り取り、反対して全てを覆そうとするのは不毛な行為であると思います。


一部だけを切り取るのなら、その切り取った部分を、いかにすれば、より良くなるのか検討するべきなのではないでしょうか?


薬剤の副作用でも、作用、効能に対する副作用の大きさを考えて、副作用をいかに抑えるかを検討しています。


そして、重要なのは、副作用が大きくても、命のかかっている患者さんはリスクを冒してでも、薬の投与を望むことがあるということ、予防の為と治療の為では状況がことなるのであり、同じようなケースでも違う回答が出ることもあるでしょう?


社会保障、マイナンバー、安保関連法案・・・全てがベストではありませんが、よりベターな状況を求めて作られたものであり、よりベストな状況を目指すのでなければ、それは国家としての後退を意味しているものであると思うのです。


もう一度、公平の意味を考え直す必要があると思います。