久々に、「赤いペガサス」ネタで。
この作者、村上もとか先生ですが、「JIN」を読んでも分かるように、綿密な取材や考証の上に作品が描かれているなと、感じます。
マンガですから、多少の誇張や奇想天外な部分はありますから、なかなか鵜呑みにし辛いですが、当時のF1の本質をついた部分や、メカニカルな部分では、初めての人でも、「なるほどそうなんだ。」と、思える所が何か所もあります。
私が思う、代表的なエピソードをあげると
モナコGPでタイムの上がらないケンは、ランニングがてらにコースを走り、攻略の糸口をつかもうとする。
同じ頃、チーム・エンジニアのトムは、自分達の経験不足が、市街地コースのセッティングを出せない原因だと考え、その対策に経験のある人物、そう、ホンダの中村と連絡を取り、解決のヒントを掴む。
ここ迄がプロローグなんですが、
結論から言うと、ギアレシオのセッティングについてのエピソードになるんです。
分かりやすく言うと、F1マシンは最高速300キロとした場合、6段のギヤでカバーをすることになり。1で0~60キロ、2で50~110キロ、3で100~160キロ、4で150~210キロ5で、200~260キロ、6で250~310キロの範囲の速度域をカバーします。このときに、それぞれのギアで速度域が重なるセッティングをクロスレシオと言いますが、完璧なクロスレシオならば、2で70~150、3で120~200、4で150~230のように同じ速度域を、3ポジションのギアで走れることになり、コーナー毎に、より適切なギアを選べるようになります。
通常は、コース全体でどのギアポジションを使うかを判断しながら、ギアを組むのですが、モナコの様に最高速の低いサーキットでは、6の最終速度域を300から250に下げられますから、より、クロスレシオが、簡単に組めるようになり、コーナーでの適正速度が上がることになります。
この、小難しい話を、速度域の減少で、ギアのカバーする範囲が変わり、コーナーでのトップスピードが上がることで、PPの獲得、優勝につながるエピソードとして描かれていました。
実際、セッティングが決まらないと、良く言いますが、何をセッティングするかを考えると、なかなか現実が見えないと思うのですが、ギア、サスペンションの硬さ、ウイングの角度、重量や、ブレーキのバランスなど、多岐にわたるセッティングの一部でも、画像として見れたのは、リアリティがあって、「赤いペガサス」のファンになった、要因の一つであります。