第10話 道化師と魔女

僕の家にはプリンターってやつがなくてね。

企業への応募書類や何やら印刷するのに印刷機が必要なんだよ。

だから僕は三日に１回くらい大学へ行く羽目になるんだな。

今日はやたらと人が多くてね。新一回生の親子連れや何やらが

下見に来たり下宿先の斡旋所に来てたりしてたわけだな。

印刷するための――メディアルームって言うんだけど

場所は長蛇の列さ。今日は平日だけど大学は休みなんだよ。

いいかい？休みなんだ。休みなのに『アホ』ほど人が並んでるんだ。

レポート書いたり、アニメを見たり、とにかくメディアルームは満席だったんだ。

どいつもこいつも何を考えてるんだと思ったけど、僕もその一部だったから

僕はまぁ何も言わなかったんだけどね。程なくして列が消化していくんだけど

僕の前のブロンドの男の子が前に進まないんだな。彼は席が空いてるのに気づかないんだ。

すぐ隣にある席だぜ。灯台下暮らしとはまさにこのことだよ。声をかけようかと思ったけど

やめたよ。この子は僕をからかっているだけかもしれないし――とにかく乗り気がしなかったんだ。

用事が終わったから僕は帰ることにしたんだけど、

まだ並んでる子がいたから僕はその子の肘をぽんぽんと叩いて

空いてる席を指差してやったんだ。終始無言だったけどね。その子――丸坊主の男の子は

「あ、ありがとうございます」と見かけによらず高い声でお礼なんか言いやがるんだ。

僕より15cmは背が高いんだぜ。紫のダウンジャケットを着たオシャレな子さ。

僕は参っちゃったよ。まさしく野球部って感じの子だったなぁ。

僕は何も言わなかったけど、別に口がついてないわけじゃないぜ。

ただ乗り気がしなかっただけなんだ。

駐輪場に向かって歩き出すと、人が多いんだな。

こうも暇人が多いものかね・・・それはそうと僕は目が悪くてね。

いっつもコンタクトしてるんだ。0.02くらいとかしか視力がないんだよ。コンタクトして0.8~9あるね。

でも大抵は下を向いてるんだ。知り合いなんかに出くわしたら何ていうか、煩わしいだろ？

そりゃ、無二の親友が向こうから歩いてきたら走ってて蹴りなんか入れてさ、馬鹿やるんだけど。

こんな時間でこんな場所で僕の親友がいるわけないんだ。だから僕は下を向いて歩いてるんだ。

だったら別に目が悪いままでいいじゃないかと思われるかもしれないけど、

そういうもんでもないんだな。目が悪い人にしかわからないよ。

とにかく僕は歩いていたら、四人組――男2人と女2人の内、

女の子の1人が鶏とかアヒル（ペンギンかもしれない）みたいに重心を左右に揺らして

僕の方に向かって走ってくるんだな。特徴的な走りかたさ。まぁチャーミングではあるんだけど。

20mくらい離れてたのにこっちに気がついて走ってきたんだぜ。僕の女の子知り合いのほとんどは

20mくらい離れてて、一人ならまだしも他に友達がいたら絶対僕を見ないフリするような女の子ばっかりなんだ。

だけど僕は彼女達を責めれないんだな。僕だって逆の立場なら知らないフリするだろうからさ。

僕は不器用だけど、あんなややこしい状況で蛇をつつくほど気を遣えないわけじゃないんだ。

あの状況で走ってこっちに来るような子はその子くらいさ。バイト先の後輩なんだけどさ。

僕はもう随分長いことバイトに行ってなかったら（就職活動の名目で）

随分久しぶりだったんだけど、その子はスピーチを僕に依頼するわけだな。

バイト先で（現四回生の）卒店式ってのがあって、そこで僕にスピーチをやらそうとするんだ。

僕は心に負荷を掛けることが嫌いでね。自分では責任感が強い方だと思ってるよ。

スピーチなんか引き受けたら、こっちは二日ばかし寝れなくなっちゃうからね。

別に僕じゃなきゃ駄目ってわけじゃないし、丁寧に断ったんだ。情けない男さ、僕は。

残念そうな顔してたけど、「就職活動がんばって下さい」って笑顔で言ってたな。

お友達の男の子２人がえらいハンサムなんだよ。僕はなんだかとても場違いな気がしてね。

早く帰りたかったら、さっさと帰ってきたわけだけど。彼女、大学生活を楽しんでるって感じだったね。

僕は大学生活を楽しむというより、一人暮らしを楽しんでるってタイプの奴だから。

ちょっと羨ましそうだったりもしたんだ。だけどさよならを言って僕は一人で帰ったんだ。

第9話 上っ面

前回からの続きの話なんだけど、

とにかく僕は電車に乗って説明会に行ったんだよ。

遅刻しかけたというか、実際五分くらい遅れちゃったけどね。

だけどそれは別段問題なかったんだ。席数が足りなかったみたいで、

何人か会場から締め出されて７～８人突っ立ってたからね。僕みたいなのがいたわけさ。

それでなんだか拍子抜けしちゃったんだ。もっとシビアなものを想像していたんだけど、

そこは優良企業よろしくって感じだったよ。悪い気はしなかったね。

しばらくして、係りの初老の女性に案内されるわけだな。

説明会会場にはたくさん人がいるんだ。『アホ』ほどみんな真っ黒なんだ。

みんな熱心な聞き手なんだろうね、手にはノートと鉛筆を持ってる。

でも僕は人の話でメモを取るのは大体の場合嫌いなんだ――

いかにも「僕まじめしてます」って感じが昔からたまんなく嫌いなんだ。

それに人間覚えようと思ったら覚えれるし、その書いたメモを見直す奴なんて何人いるんだい。

どうしてもメモに残したかったら、家についてゆっくりメモを取ればいい。

家に着くまでに忘れちゃうって奴がいたら、そんなのはただのインチキ野郎さ。

まぁ説明会には色んな奴が着てるからね。

話が逸れるけど、どうでもいいことを質問する女も嫌いだね。

質問する奴に限って「本日は貴重なお話ありがとうございました」から入るんだもんな。

僕は『こう』言わない奴が質問してるところを見たことないんだ。つまんない世の中さ。

一度でいいから「彼女いるんですか」とか「給料いくらですか」とかいきなり気違い染みたことを

聞いて欲しいもんだね僕は。僕はもちろんそんなこと聞かないし、聞こうとは思わないけど、

僕は別にそんな奴がいてもいいと思うんだな。人間の多様性ってやつさ。『くそ』まじめな奴に限ってさ、

『くそ』面白くない質問するもんなんだけど、昨日のあの女の子は冴えてたな。

着眼点はいいと思うんだけど、でもやっぱりどうでもいいことだったな。

簡単に言うとその質問は「担当のローテーションはあるんですか」って言うんだけど。

はっきり言ってローテーションがあろうとなかろうと僕らにはまったく関係ないんだ。

その女の子が『担当のローテンション嫌い病』ならわかるんだぜ。でも多分そうじゃないんだ。

それにもしローテーションがあるとしても、選考を辞退するほど重要なものでもないんだな。

もちろんその逆もそうさ。結局この質問で得られたのはその女の子にとっての満足感とか

安心感、納得感みたいなものなんだ。だって考えてご覧よ。会社に入った後、誰が一体ローテーションが

ないだとかあるだとか可能性を無視した言い方をできるんだい。それになんでローテーションが

嫌なんだい？もし嫌だとしても自分から変えていけばいいだけの話じゃないか。

しかもそれは恐ろしいことに内定前提の話になってる気がするんだ。

僕らは品定めされる立場なのに、品定めしてる立場になるような錯覚に陥ることがある。

でも企業が学生を品定めしてるという前提は絶対で揺るがないんだ。みんなここはどう意識してるんだろう。

企業が取らないといったら絶対取らないだろうし、学生が絶対入りたいと思っても入れないんだ。

そんな風なことを考えたら僕はとても「担当のローテーションはあるんですか」なんて聞けないね。

あったとしても是非働かせてくださいって気概じゃなきゃね。まぁほんの好奇心だったんだろうけど・・

ちょっと軽率だったんじゃないかな。まぁこんなこと考えてるのは僕みたいな低脳だけだけどさ。

僕がもし同じ事を聞くとしたら「担当のローテーションが大好きなんですけど、あるんですか」くらいかな。

あってもなくても誰も傷つかない安全で丁寧な質問の仕方だと思うよ。哲学さえ感じるね。

正直、この女の子の質問は『ただ何か言いたかった』だけだと思うんだよ。

だってこんなふうなYESでもNOでも大して結果の変わらない質問が重要なものだと思えない。

もし本当に『担当のローテーション』の心配をしてたんなら、僕はちょっと呆れちゃうかな。

だって営業から編集へ、編集から制作へローテーションって意味じゃなくて、あくまでも担当だぜ？

どう考えてもこの質問は女の子の自己満足にしかすぎないんだ。公共の場だぜ？

僕の認識がずれていたら謝るよ。だけど『方法』は変わっていても『信念』は変わらないはずなんだ。

もっと言うと人間、姿かたちは違えど、生きる目的は（大雑把に違うかもしれないけど）同じなんだよ。

だから全然担当は関係ないと思うんだ。大事なのは『do it』さ。

こう考えたら僕は可笑しくなってきたんだ。

質問して満足感を得る。これじゃ『公開マスターベーション』じゃないか。

多分、何百人いる中でそんなこと考えてるのは僕一人だけだと思うんだ。

そう思ったら僕はさらに可笑しくなり、自分に対して絶望したね。

別に馬鹿にしてるわけじゃないんだよ。これはあくまでも僕のせいであり、悪い癖なんだ。

ブラックユーモアとはちょっと違うかもしれないけど・・・そんなところかな。

でもこの女の子はいい内定をもらうだろうね。僕とは対極の立場にいる奴はみんなそうさ。

彼女はこれからすべての会社説明会に行って充実した就活ライフを送るだろうよ。

そういうベクトルがそっちに向いてる奴が内定を貰える世の中なんだ。

僕はちっともこんなインチキに納得できないけどね。

第8話 最大時間の持つ弊害

みんな元気かな。

昨日ある会社の説明会に行ってみたんだ。

僕くらいになってくると説明会なんてほどんど行かないんだ。

でも会社説明会に行かなきゃ選考に進めない会社もあるんだ。

特に昨日のはそうだったんだよ。

僕はこう見えて田舎ものでね。

説明会は大体都会で行なわれるんだけど。

どうも勝手がわからないんだよ。バス停についた瞬間にさ。

バスが出ちゃうんだぜ。歯磨きでもトイレでもあと１０秒早く終わってれば

間に合ったそんなタイミングなんだ。もう気が滅入っちゃうよ。

それで次に乗ったバスの運転手がこれまたノロマなんだ。

そりゃ安全運転は大事さ。大事だけど時と場合ってもんがある。

僕はとても急いでたから、とにかく急いでほしかったんだ。

もちろん僕はそれを口に出すほど野暮ったい性格じゃなかったから。

黙っていただけだったけどさ。

駅が終点なんだけど、駅前で降りて駅まで行くルートもあるんだ。

駅前で信号に捕まっちまったらどうもにもこうにもいかないからね。

ここが決断のミソなんだよ。もし信号に捕まらず駅までスムーズに行けたら

そのまま乗ってる方が遥かに早いんだ。信号を見るとどうも赤になる気配がないんだな。

僕はそのまま乗ってることにしたんだよ。ところが僕はびっくりしたね。

バスの速度が落ちていくんだ。「突然クソでもしたくなったのかい？」僕は心の中で叫んだね。

もちろんどんぴしゃりで赤信号に捕まったってわけさ。まったく泣けるよ。

４分ほど時間のロスを喰らって駅に到着したんだ。

乗るのは「新快速」なんだけど、これがまたタイミングが難しいんだ。

１５分に一本くらいかな。「普通」は５分に一本くらいくるんだけどね。

でもその日の僕は「新快速」じゃなきゃ駄目だったんだ。それじゃないととても間に合わないからね。

駅に着くと猛ダッシュさ。それは高校のとき「遅刻」って出席簿につかないように

血反吐がでるまで走ったときとダブっちゃったよ。一生懸命走ったんだ。

自転車で走ってるときなんかさ。

僕を追い抜く奴とかいるじゃない当然。

抜かれるのはいいんだけどさ。抜くときの速度と抜いた後の速度が

全然違う奴がいるじゃない。抜くときは気違いみたいに速いスピードで抜くのに

抜いた後は休憩よろしくって感じですごく遅くなる奴がいるじゃないか。

とにかく相手より前にいたいってタイプの奴。意味もなくね。

踏み切りで待ってると、無意味に前に出てくるおばさんと共通するものを感じるね。

とにかく小走りで走ってて、最後の関門下りのエレベーターに乗ろうとした瞬間、

ものすごいスピードで僕の前に割り込んできた外人がいたんだ。びっくりしたことに

その後、その外人は立ち止まってエレベーターの流れに身を任せてるんだ。

外人だから、左と右どっちを空けるとかそういう概念はもちろんないんだ。

でっかい荷物も持っていたね。僕は袋小路状態さ。２０ｍ先には乗る予定の電車が見える。

だけど前に進めない。このときは流石に参ったね。だって発車しちゃうんだぜ？その電車。

僕は変な虚脱感を覚えたよ。

今年に入ってこんなに気が滅入っちゃったことはないね。

そっから１５分だぜ？１５分も待つ羽目になったんだ。

１４分でも１３分でも１２分でもなくて最大の１５分を待つことになったんだ。

１５分に一本の電車だからね。バスも最大時間待ったし、とにかく最悪な日だったんだ。

楽しいときとか、生きてる時間は最大で構わないんだけど・・・

どうも待つ時間は最小の方がいいみたいだね

後編につづく

第7話 いらないヒト

お久しぶりです。

最近更新していなかったのはですね。

なんていうかとても気が滅入ってしまっていたんだ。

なんかこう・・・僕なんてこうも世の中にはいらない人間なんだなって。

いや就職活動の話なんだけどね。なんていうか企業としては100点の人間はいらないんだよね。

100点なんかなくても60~80点「らしい」学生だったら万事OKってわけさ。

そりゃ本当の意味で――神からの目線だったら

どの企業にはどこの誰々が合ってるとか、わかると思うんだよ神さまならね。

だけど面接官は神様じゃないんだ。就活してる学生には緊張してて上手く喋れないやつもいるだろうし、

素質はあるのに準備不足だったとか個人で色々事情があると思うんだ。結局採用されるのは

就職活動の上手い奴さ。企業が欲してる人材が採用されるんじゃないんだぜ？

あくまでも就職活動が上手い奴が企業に採用されるんだ。

まぁこう言ったものの、負け惜しみなのも事実さ。

だけど僕はちっとも納得いかないんだ。隣の奴が喋ってるときは

面接官は一生懸命メモとってるのに、僕が喋ってるときはメモなんか1回も取らないで

「なるほどね～」一辺倒なんだぜ。こっちの潜在能力を引き出す気ゼロだよ。

僕になんかまったく興味はないって感じなんだ。僕の初面接だぜ？

もうなんだか僕は家に帰りたくなってしまったんだよ。

帰り道、その面接で一緒になった奴と別れ際、

「僕は落ちてると思いますけどがんばって下さい」と言ったんだ。

一応本心から言ったんだけど、ちょっと自分自身が憐れだったのもあるな、うん。

そしたらそいつ何て言ったと思う？ニヤニヤしながら「そんなことないですよ～」って言うんだ。

まじめそうな子だよ。それがまた『面接が上手くいって嬉しくて仕方ないってツラ』なんだ。

賭けてもいいけど、そいつは『そんなこと』これっぽっちも思っちゃいないんだ。

コンビニで店員に「ストローは入りますか」と聞かれて、

本当は入らないけどめんどくさいから仕方なく「はい」と答えると同じくらい、

そいつにとって僕が落ちてようがどうでもいいことなんだ。まったく気違い染みてるよ。

僕は半年後一体何をしてるのか、内定をもらってるのか心配になった瞬間でもあるな、うん。

第6話 むき出しの願望

僕はとても漫画を読むのが好きなんだ。

だけど大学生になってからはよく機会は減ったな、うん。

実家には本棚がいっぱいあったんだけど、今住んでるアパートには

１個しかないんだ。本棚がいっぱいで本や漫画を買ってきても置くとこがないんだよ。

僕は掃除とかはまとめてするタイプだけど、コレクションはしておきたいんだ。

本を高さ順にきっちりそろえてさ。それを眺めておきたいんだ。

漫画から読み取れることはたくさんあるんだよね。

例えばヒロインが出てくるじゃない漫画に。そういうヒロインって

作者の理想とか好みのタイプとか作者の趣味である場合が多いんだ。

中にはきもち悪い女の子書くんだぜ。いや容姿はかわいらしいんだけど、

なんだが嫌悪感を抱くような女の子を書く漫画家がいるんだ。

そんな中でも浦沢直樹っていう漫画家はすごいんだ。

ほら今『２０世紀少年』で話題になってるじゃない。あの作者だよ。

あ、断っておくけど、映画が話題になって漫画を読み始めたにわかファンじゃないぜ。

根っからの浦沢フリークさ。まぁ初期作品を全部みたわけじゃないけどさ。

ちなみに実写キャストではさ。ケンヂが唐沢さんだけど、これは配給会社の

意図を感じるよね。今いる俳優でケンヂを選ぶとしたら間違いなく大泉洋になるはずなんだ。

でもおかしな話なんだ。大泉洋はドンキーだって言ってる奴も多いんだ。おかしな話だよ。

オッチョにしたってそうさ―まぁここが一番難しいんだけどさ。

実写のキャスティングセンスで言えば、僕は間違っちゃいないぜ。

攻殻機動隊ってアニメがあるんだけど―もうハリウッドで実写化が決まってるんだぜ。

少佐っていう女のキャラがいるんだけど、この少佐役には誰がいいかで揉めていたんだ。

ある奴は少佐役には是非栗山千明がいいなって言う奴がいるんだよ。

僕は信じられなかったよ。本当に本編見てそんな結論に達する奴がいるのかと。

僕はねえ、本当に気が滅入っちゃったんだ。

また例のごとく話が逸れちゃったけど。

とにかく浦沢直樹の書く女の子はすごいんだ。

どのキャラもすごく健康的なんだよね。中でも僕が一番いいと思う女性は

『MONSTER』って漫画で図書館が舞台になる話があるんだけど、

その図書館に勤めてる司書がすんごくいいんだ。浦沢直樹と言ったら

綿密なストーリーと多彩な顔の書き分けが特徴なんだけど、

中でもその司書がぐっときちゃったね。

僕は馬鹿な話に聞こえるかもしれないけど、

乳首を書く漫画家と乳首をかかない漫画家を整理したことがあったんだ。

例えば『ドラゴンボール』の作者鳥山明は乳首を書くんだな。粗末な乳首さ―でも健康的なんだ。

『るろうに剣心』の作者の和月も乳首を描写するんだけど、これが汚らしい乳首なんだ。

お笑い芸人で品川庄司っているじゃない。その品川が下品な乳首をしてるんだけど、

その乳首を見てるような気持ちになっちゃったね。もしかしたら和月氏は

こんな乳首をしてるんじゃないかと勘ぐっちゃったくらいだよ。

女の子の書き分けはともかく乳首の書き分けなんかしてる漫画家はほとんどいないからね。

自分の中にある乳首像みたいなのがモロに出る瞬間なんだよ。はずかしいことさ。

そういう潜在的なことを読み取る事も漫画を読み取ることだと思うんだ。

まぁ関係ない話だけど服を脱がせた女の子の乳首が少し変だったら、

なんだか少し気が滅入っちゃうよな。