家族が少しずつギクシャクする中、今度は、義姉が「お金がないから、今すぐに家(義実家)を売らないと!」と騒ぎ始めた。
義姉が家を売る!と騒ぐのは2回目なので、私も旦那も少し慣れていた。
1回目は義母が癌になった時のことだった。
癌は一般的な部位のもので、ステージもそんなに進んでいるわけではなかった。
標準治療で手術をして、抗がん剤をすれば完治できるような癌だった。
それなのに、義姉は家を売ってでも治療をしないと!と騒いだ。
一体、どんな先進治療をやろうとしているのか?
それとも、まさか、健康保険に加入していないのか?
もちろんそんなことはなく、標準治療で高額療養費制度もきっちり使って癌は完治した。
がん保険も少しだけ加入していたらしく、後日、義母によると収支はトントンだったと言っていた。
義姉は単なる世間知らずなだけだった。
よく、がん保険のCMで「癌になってものすごくお金がかかって・・・でもこの保険で・・・」と言っているからそう思ったのだろうか。
人を不安にさせるのが保険会社の一番の商法である。
義姉はこんなんで大丈夫だろうかと少し心配になった。
義姉は新聞に入っていた「リースバック」のチラシを差し出し、すぐにこれをやってと旦那に言った。
リースバックとは自宅を売却して、売却後も賃貸で住み続けられるというサービスだ。自宅を売却した資金を一括で受け取ることができ、さらに住み慣れた家に住み続けられるという一挙両得なサービスだ。
旦那は「わかった」といってチラシを受け取ったが、もちろんこんなことする気はなかった。
義母がどうなるのかもまだわからないし、何よりも、もし本当にお金がないのであれば、普通に家を売った方が絶対にお金はたくさん入るからだ。
家をすぐに買ってくれるということは、相場よりもかなり安く買うということだ。
お金がない人が利用する商品ではないことは明らかだ。