母校で学生対象のセミナーがあった。

3年生が中心だった。

 

母校なだけに,自分を振り返る。

「なぜ教師になったのか?」

 

私は「教えたい」という気持ちから。

多分,これだけ。

いろいろ大変なことがある中で

それでもやり続けようと思う原動力は

これしかない。

その結果,子どもたちが成長する姿を見ると嬉しい。

 

学生から出た質問について

Q1 学級担任として大変だったこと,その改善事例

他のOBが保護者対応や学級経営に対する内容を語っていたので

少しそれるかもしれないが,あえて別の視点から答えてみた。

 

事務仕事について話をした。

教員にはたくさんの事務作業がある。

これはあまり大学では実感を持って教えられない。

現場に出てびっくりする。

そして

「締切を守る」「何でも1番を目指す」

言われてからする,後回しにする,のんびり集合する

こういう若者が多い。

だからあえて言ってみた。

 

Q2 臨時的任用教員,非常勤講師,塾講師

   もしも採用試験に落ちたらどういう道を進むべきか?それぞれのメリット・デメリットを知りたい。

 

OBからは,「そもそも落ちた時のことを考えるな」という厳しい意見も出た。

かつて,「なりたくてもなれない時代」だったからだ。

 

塾講師は,そのものではないので,物足りなくなると思う。

そもそも社会科は少ない。

私も数学の講師を務めたことがある。

時間はあるので勉強はできるのではないか?

 

非常勤講師

時間もあり,校務もない。

教材研究に十分な時間が取れるし,勉強時間も確保できる。

趣味にも使える。

ただ金銭的な余裕がない。

 

臨時的任用教員

金銭的には問題なく,本務者と同じだけ仕事がある。

現場のことは知れるが

目の前のことで精一杯となって勉強する時間が取れない。

これでいいと錯覚したり,あるいは教員の仕事なんてやっぱり無理・・・と思うかもしれない。

 

いずれにせよ,どういう気持ちで臨むかが大事だと思う。

 

Q3 実習生としての意識について(こういう人に来てほしい,あるいは来てほしくない)

①そもそも人前に立てない人

これは論外。だが本当にいた。

「今日は無理です。授業できません!」と言って教室に行けなかった実習生を

かつて受け持った。

 

② 途中で放り出す人

これは,栄養教諭の実習生。

なんとか実習はやり遂げたが

最後の書類を提出しに来なかった。

単位も免許も要らないのだろう。

しかし,これは失礼だと思う。

絶対にやってはならないことだと思う。

 

③評論家気取りで,ダメ出しをする人

根拠のない自信をもち,立場をわきまえずに何の気なくダメ出しをする人。

自分なら,もっといい実践ができると言わんばかり。

もちろん,その実習生の授業はボロボロだったわけだが。

謙虚に学んでほしい。

 

今,現場には大量の若い教員が入っている。

今は倍率こそ低いので,簡単になれるが

一方で,教師に向けられる眼差しは,これまで以上に厳しい。

ましてや若者に対する負のイメージも,かつてないほどである。

それに加えて仕事量も年々増える一方。

 

大学時代に,覚悟をもって

やるべきことはすべてやって

来てもらわないと困る。

 

と,こちらが望むので

大学も教育員会も大学生にあれこれ指導していく。

その結果,「教えられて当たり前」となる。

 

これはこれでもどかしい。