どうしても書かずにいられなくて。
世間が無責任に騒ぐ、スキャンダラスな事件になってしまいそうな負の連鎖を止めたくて。


わたしに何が出来るか・・・。
考えたら、安川惡斗というレスラーをどんな風に好きで応援していたのか、そのことを伝えるしかないのかな、と思いました。

女子プロレスを見るきっかけになったのは、惡斗選手がいたから。
相方に「あんたと同じ病気のレスラーがいるよ。」と教えられて耳を疑いました。

バセドウ病は、少しでも無理すると体が疲れて動かなくなる。
筋肉だってつきにくいし、体調のコントロールは本当に難しい。
わたしも簡単な運動でも日常生活に支障をきたす時があって、動くこと自体が正直怖いです。

それなのにレスラー?
そんなこと、可能なの?
興味を持ったその日、購入した週刊プロレスの「レスラーヒューマンヒストリー」が偶然、惡斗選手だったんです。

勝手に運命的なものを感じながら、その壮絶な人生に驚き、彼女の「あきらめない心」にわたしは感動しました。

「病気だからって、あきらめなくてもいいんだ。うまく出来なくてもあがけばいい」
人に迷惑をかけないように、自分のことは自分で・・・。
だから、出来ないことはあきらめないと。
そんな風に何とか小さくまとまろうと自己防衛しているわたしの殻を、惡斗選手は叩き割ってくれました。

彼女は病状の悪化や、目の手術で長期欠場。
尊敬する先輩の夏樹☆太陽選手の引退にも間に合いませんでした。
それでも復活した時は、堂々と悪役として、スターダムをかきまわす。
「面白くしたいんだ!」
いつもそんな想いで、決して弱音は吐かず、余裕の笑みを浮かべながら。

その後ろにある努力と、果てしない闘いを、彼女は決して人前には見せません。

もちろん、誰もをなぎ倒すような、圧倒的な強さを持つレスラーではないです。
気力や頑張りだけではどうにもならない部分があるのも、本人がきっと一番よくわかってる。
それでもあきらめない。
それは、プロレスが好きだから。
自分が自分でいることを、やめたくないから。

世間からどう見られても、自分らしくあることをやめることがどんなに辛いか。
常識ばかり守ろうとすると、自分がどんなに苦しくなるのか。
スマートに生きるのってそんなにかっこいい?
何でうまく出来ないからってあきらめるの?

目を背けようとしていたそんなことを、惡斗選手はいつもわたしに突きつけてくる。
いつも、いきいきとした笑顔をふりまきながら。

もう、彼女は十分に試練をくぐり抜けて生きています。
どうか、一人の人間として扱ってほしい。
面白おかしく取り上げたり、誹謗中傷したりしないでほしい。

安川惡斗選手は、人に勇気を与えることが出来る強くて美しい心を持った人なんです。
おおげさではなく、わたしの心にはいつも惡斗選手がいます。

何も出来ず傍観している、無力な自分がはがゆくて仕方がないです。
今は、彼女の怪我の回復と復帰をただ祈っています。