イタリア

フィレンツェのグッチ本店から

私はあるものに魅了される羽目になる













それはね

繊維

ブランドごとに得意の分野というものがある

正直、すべてが得意ですというブランドはない

得意分野で扱う素材も違うから

それぞれ得意な素材がある

グッチは前のブログでも話したとーり

94年にトム・フォードがディレクターを任されてから

一種の改革が巻き起こったのよラブ

その時

素材の中の繊維にも革命が起こったの

デザインの革命

これはあまりにも有名きらきら!!

でも

トムフォードをただの天才にしないでちょーだい

彼はただの天才じゃないの





完璧主義者











トム・フォードが日本のとある雑誌のインタビューに答えたのは
2005年冬


その時

バイヤーとして私は走り回ってたんだけど、私はとある人のおかげで

このインタビューを見学することができたの

それも今後のブログで熱く語らせて頂くわ









私が始めて会ったデザイナーね











彼はグッチ退任後
お客として世界中のブティックを回るの
でもね完璧な繊維、縫製、デザイン…それらのものだけでは
トムフォードは我慢できなかったの






接客





デザイナーでもある彼が声を大きくしていたのはそこ








友人宅に招待されたような居心地の良さのあるサービスの提供




そして



自分の服の良さを心から分かっている人に売りたいとのこと











この当時の私の接客(デート?)のスタイルは
前のブログでも話した通り










そんな私を知っていた大手の出版社のおっちゃんが
(今はお家でお孫さんとコレクションごっこをするおじいちゃんだけどね)
私をその場に招いてくれたの












社長業も無駄ではなかったみたい


やっぱり何でも若いうちにやっとくもんねー…


私はあの日




最初のゴールとなる日を見つけた気がするの

私のこの売り方は間違っていないと思うことができたもの

あの日、トム・フォードの大きな大きな信念とあたたかい手






そして












フィレンツェに行った時に教えてもらった








グッチ









グッチ




グッチ










の多彩なる歴史と現実も今の私をつくる一つのきっかけとなった
イタリア滞在中
まだ

私はトムフォードという偉大な人物は一生会えないであろう人だもの

最初、ビルゲイツ未来を語るという本を13歳で読んだ時に感じた

あのほど遠い存在感

もしかしたら神より遠いかもと思った人に会う衝撃の前に

私はフィレンツェでも衝撃を受けるの











コレクションで見たグッチのドレス

それを手にとったけど

正直、このシルクがなーんで60万もするか分からない

といった具合だった







触っても…うん

まぁシルクはシルクと言った感じだったし
カラーもコレクションの写真で見るより薄い

うーん…






その時にね

「このドレスは着てみないと分からないの」

って言われたの






はぁ…







そこで私はお着替え…







着てみたら、確かに豪華なのは分かるけれど

鏡の前で立って

ポーズを決めても(ぷぷ)

うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん





どうしよう

価値が分からない








着終わると
外に出てきてとのこと

外に出ると
そこには大きめの鏡を持った2人のスタッフ

その靴をはいて歩いてきてとのこと







わけもわからないまま

いつの間にか用意されたサイズ37ハーフのサンダルをはいて

私は歩いたの








私たちについてきて
というスタッフについていってね








さっきまで迷路だと思っていた店内は
一瞬でコレクションの道となった










段差がある階段
鏡を見て階段を下りる自分を見る





何ともいえないシルクの広がり方





歩く度にしなやかに足に吸い付いては離れ

吸い付いては離れるシルクは蕾が花咲く自然をも感じる

歩くと感じる風を全身で感じれるシルク

なびくシルクの1つ1つの形の美

沢山の蕾に囲まれているような華やかな気分








階段を上る

膝が曲がると美しい曲線の出るセンターライン

そして最後は椅子に座る





ウエストラインのシルクはドレープ状になり
膝を隠したシルクの裾はまさに開花







ふんわり広がって私は蕾になって花となる










思わず笑ってしまった

こんなに綺麗なドレスだと思っていなかったもの











グッチのシルクは素材云々はもちろんだけど
素材本来の美しさを消さないデザインの技術が素晴らしい

それは今もそう

フリーダにも次がれているわ










歩く
座る
登る
降りる





その全てを見通してデザインされた美しいシルエットに満足して

私は生まれて初めて本物のシルクのドレスを買うことにしたの













蕾のような花のようなシルク

そんな繊維を魔法みたいなドレスにしたグッチのね