婆籔仙 (二十八部衆)
京都 三十三間堂所蔵
墨摺り 墨一色摺り
墨液 奈良玄林堂
和紙 新鳥の子
婆藪仙(ばすせん、ばそせん、ばすうせん、ばそうせん)とは仏教における護法善神である。梵名はヴァス(Vasu、「財宝」「富」の意)で、インド神話の聖仙ヴァシシュタ(Vasiṣṭha、「財宝に最も富む者」の意)が仏教に取り入れられた姿である。縛斯仙(ばしせん)、嚩枲瑟他大仙(ばししったたいせん)、婆藪大仙(ばそたいせん)とも呼ばれる。火天の眷属で、五仙の一。火を尊び、火を祀る修行者とされる。また、吉祥天の兄といわれる。三十三間堂では二十八部衆の一尊とされ、吉祥天と共に千手観音の脇侍とされる。婆藪仙は殺生の罪を犯したことにより生きながら地獄に落ちたが華聚菩薩の力によって救われ地獄を脱し、釈迦の元に生き衆世を救うと誓ったといわれる。
※二十八部衆(にじゅうはちぶしゅう)は、千手観音の眷属。 東西南北と上下に各四部、北東・東南・北西・西南に各一部 ずつが配されており、合計で二十八部衆となる。
