8月12日に放送した『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、ジャニーズのグループ名に関する由来や、セリフ入り楽曲の特集が放送された。ユニークなネーミングは、社長であるジャニー喜多川氏のインスピレーションによるものなのだそう。その天才的なイマジネーションこそ、ジャニーズが多くの人を引きつけて離さない魅力の一つ。そこで今回は、そんなジャニーズならではの独特なセンスを振り返ってみようと思う。

<思わず由来を聞きたくなるグループ名>

一度耳にしたら頭から離れない、一見奇抜なネーミングが、ジャニーズグループの特長だ。「これってどういう意味なの?」と、つい調べたくなってしまうキャッチーさがある。「最初に聞いたときは、ないと思った」と語るメンバーも少なくないものの、気づけば板につき、カッコいいに変わるのがジャニーズマジックだ。

番組内では、メンバーの頭文字からとった「たのきんトリオ」や、アルファベットで“A”、ひらがなでも“あ”から始まることから“頂点に立つ”という願いを込められた「嵐」などが紹介された。しっかりとそのグループに愛情と思いを込めて、名付けられているのがわかる。他のグループについても、以下のような由来があると語られている。

・SMAP=Sports Music Assemble People(スポーツと音楽をするために集められた人たち)の頭文字から。

・TOKIO=“TOKYOから世界に羽ばたくバンドに成長してほしい”という願いを込めて。

・KinKi Kids=近畿地方出身で、デビュー当時が13歳・14歳と少年だったため。

・V6=バレーボールワールドカップのイメージキャラクターを務めていたことから、バレーボール(Volleyball)+メンバーの人数「6」を合わせて。「V」には「Victory」「Variety」「Visual」「Versus」「Value」「Voice」といった意味も。

・タッキー&翼=ジャニーズJr.黄金期、デビュー前より個人名で知名度を誇っていた二人だったため、そのままニックネームを採用。

・NEWS=新しい情報のニュースという意味に加えて、北「North」東「East」西「West」南「South」からグローバルな活躍を願って。

・関ジャニ∞=当時、関西テレビ(8チャンネル)でレギュラー番組をしていたことから「関ジャニ」+「8=エイト」。さらに、無限大の意味を込めて「∞」の表記に。

・KAT-TUN=メンバーの頭文字を繋げて。「勝運」としての縁起の良さ、続きが気になる「cartoon(マンガ)」の意味も含んでいる。

・Hey! Say! JUMP=全員が平成生まれであること+JUMP(Johnny's Ultra Music Power)の頭文字から。“平成の時代を高くJUMPする”という願いを込めて。

・Kis-My-Ft2=メンバーの頭文字と、タップダンサーであるグレゴリー・ハインズが尊敬するサミー・デイビス・ジュニアの靴にキスをしたという逸話にちなんで。

・Sexy Zone=マイケル・ジャクソンのようにセクシーで魅力的に、新しい時代を築いていくという願いを込めて。

・A.B.C-Z=アクロバットやダンスで魅せるグループであることから「Acrobat Boys Club」を略して「A.B.C」。歌を得意とする橋本良亮が最後に加わったことによって「Z」をつけて、「A.B.C-Z」に。

ファンにはすっかりお馴染みの由来ではあるが、このように見てみると、英語表記の頭文字を取るパターンが比較的多いことに気づく。アメリカ生まれのジャニー喜多川氏らしい発想力かもしれない。

<ストーリー性を感じるセリフ入リ楽曲>

さらに番組内で特集されていたのが、セリフ入りの楽曲。ジャニー喜多川氏いわく、歌にストーリー性が生まれるためにそのスタイルを大切にしているのだそう。これも舞台をエンターテインメントの主としているジャニーズならではないだろうか。

滝沢秀明のソロ曲「愛・革命」の長セリフは、ミュージカルのよう。当初、セリフはなかったようだが、ジャニー喜多川氏の助言によって、加わったというのは有名なエピソードだ。

また、嵐の「台風ジェネレーション」は二宮和也の演技力にうっとりとしてしまう。山下智久の「愛テキサス」も、舞台を見ているような気分になる。セリフが入ることにより、歌にドラマを見出すことができるのだ。

加えて、曲中に甘いセリフが囁かれるのも、ライブステージを意識しての演出かもしれない。メンバーの決めゼリフは、ファンが大歓声を上げるお決まりのパターンといっても過言ではない。

Hey! Say! JUMPの山田涼介は「瞳のスクリーン」で「I LOVE YOU」と囁くが、コンサート会場によってアレンジを加えることも。Sexy Zoneの「スキすぎて」は、全員で交代に甘いセリフをつぶやく演出が取り入れられている。メンバーも毎公演アドリブで変えてくるため、ライブに足を運ぶたび新鮮な胸キュンを届けてくれる。これも、目の前の観客を楽しませることに注力しているジャニーズならでは。何度でもライブに参加したくなる、まさにお家芸といえるだろう。

<シャレのきいたモジリに気づくとクセになる!>

ジャニーズの楽曲には、よく聞くと「おや、これはダジャレでは?」と気になってしまうフレーズも潜んでいる。KinKi Kidsの「夏の王様」は「Oh! Summer」とかかっているように感じるし、カレーのCMソングになったHey! Say! JUMPの「Come On A My House」は「彼(カレー)が好き?」などシャレがきいている。こうした一捻りで楽しませてくれるのも、ジャニーズ文化の一つではないか。

また、舞台公演でも滝沢秀明が座長を務めた『滝沢演舞城』では、「LOVE」を崩して書くことで「命」という漢字にしてみせるスゴ技も。さらに、A.B.C-Zが座長を務める日生劇場の舞台では「日生」を縦書きにして「星(スター)劇場」と銘打ったこともあった。この秋からの公演も『ABC座2016 株式会社応援屋~OH&YEAH~』。タイトルだけでもファンは楽しむことができてしまう。これはまさにジャニーズの思う壺だ。

そんなジャニーズのネーミングセンスや言葉遊びは、フレキシブルな思考があってこそ。大人になればなるほど、セオリーに縛られ、ひらめきで動くことを恐れがちだが、ジャニーズにはそのしがらみがないのかもしれない。だからこそ、いつの時代にも勢いを保ってエンターテインメントの最前線を走り続けられるのだろう。


2016年8月14日 7時8分 リアルサウンド



確かに、発表された時はあまりのダサさに唖然とする事が多かったけど、何年か経って必ず世間に定着して誰もが当たり前のように言ってるのは凄い…


今日から王子のコンサート後半戦。弾き語りにらいおんハートが追加されてたのですが、これが本当に素敵でした。彼の心の声を訴えかけられてるような歌い方でお客さん皆静まり返って泣きそうになってました。