ガスの売り込み失敗

ロシア産の菊芋と牛軟骨と牛胃の売り込みには成功

(モスクワタイムスより)

 

ウラジーミル・プーチン大統領は、5期目の大統領就任後初となる華やかな中国公式訪問を行ったが、クレムリンに新たな重要な二国間協定をもたらすことはなかった。

プーチンと中国の習近平国家主席との2時間半の会談の後、ロシアと中国の代表団は12の文書に署名した。

クレムリンとロッセルホズナゾールのウェブサイトによると、その中には、ロシアのキクイモと牛肉の副産物、特に牛軟骨と胃の中国への供給に関する協定が含まれている。

さらに、プーチンと習近平は国境地帯に「大型ネコ科動物の土地」保護区を創設することで合意し、2008年に中国に寄贈されたウスリースキー島の開発構想を承認した。

 

中国の新華社通信は国営タス通信と協力し、ロシヤ・セゴドニャ通信とともにBRICS専門家フォーラムを開催する。さらに、中国のメディア企業CMGは、日本テレビチャンネルを所有するガスプロム・メディア・ホールディングと協力覚書に署名した。

さらに、「インフラとエンジニアリング建設分野における」覚書と、デロバヤ・ロシヤ企業協会と中国国際貿易促進委員会との協力に関する同様の文書が合意された。

 

文書のリストには、アメリカの制裁の脅威の下、中国の銀行が大量にブロックしている国境を越えた決済の問題に対処する合意は含まれていなかった。北京にある中国人民大学のChongyang Institute for Financial Researchによると、3月の時点で、ロシアと中国間の決済の80%が停止されているという。

ロシアと中国は共同声明で、「ロシアと中国の経済主体間の決済ルートが円滑に機能するよう、金融インフラを改善する」ことで合意したと発表した。しかし、クレムリンのウェブサイトに掲載されたリストによれば、政府、中央銀行、省庁、政府機関レベルでの具体的な文書は締結されていない。

 

どうやらプーチンは、ガスプロムが失ったヨーロッパ市場に取って代わることを期待した西里・シベリア2パイプラインの建設でもまた合意できなかったようだ。プーチンと習近平の共同声明はガスについてまったく触れておらず、ガスプロムのアレクセイ・ミラーはロシア代表団の一員ではなかった。

プーチンは、習近平との会談を開始する際に、準備されたすべての文書は「二国間の実務協力のさらなる深化を目指した具体的なステップを想定している」と述べた。

 

「5つの政府間委員会、80の小委員会と作業部会が設置された。

5つの政府間委員会、80の小委員会と作業部会が設置された。さらに、これらの協定は「中露関係の漸進的発展に強力な推進力を与える」と付け加えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステートメント分析雑感。ここまで対中関係において上下構造を容認してしまう売国的プーチン像というのは、やっぱり自国民を犠牲にして自身の保身に邁進されていて、とても典型的な独裁者っぽい。

転じて…、
プーチン氏を「舎弟」化できた北京中央側にとって、短期的には露を利活用できるのでポジティブな顛末であるものの、
中長期的には、内政不干渉を前提とする以上は、ポストプーチンによる露内政権の揺り戻しエネルギーに対しても、リスク見積をしておかなければならないほどに、露がチャイナに寄りかかりすぎていると判断するだろう。チャイナ株式会社は、現在は従順な大口取引会社のお家騒動に対する引当金を積んでおかなければならない。

プーチンへの集権化が極まった結果、ポストプーチンでの露内政治混沌についてのリスクが格段に高まってきてしまっている、という意味では、プーチン氏の近年の一連ムーブは、短期的には北京中央にとってポジネガ要素がそれなりにバランス(若干ポジティブ)するものの、長期的にはネガティブ評価とせざるを得ないリスクだと、みなすのではなかろうか。

大前提の相互内政不干渉と、他国の政治不安定さを忌避する、という近年の北京中央の思考からすれば、プーチン氏に塩対応するのは納得感がある。北京中央側は短期的なメリットだけを見ているのではない。

 

 

 

それ言うのなら

元老の父が迫害され

自身も監獄ぶちこまれ下放された

 

習近平も似たようなものだし