モンテヴェルディ「マニフィカト」7声 「聖母マリアの夕べの祈り」より | 天の御父の声は Vox Patris Caelestis

天の御父の声は Vox Patris Caelestis

ふるい音楽を歌うテノールです。

イタリア・バロック音楽の最初の巨匠、クラウディオ・モンテヴェルディ Claudio Monteverdi が 1610年に出版した、伝統的な様式によるミサ曲と斬新な様式の聖母マリアのための晩課がセットになった曲集より、
のちに彼がヴェネツィアのサン・マルコ聖堂の楽長に就任するきっかけとなったヴェネツィア楽派のコンチェルタート様式で作曲された聖母マリアの晩課 Vespro della Beata Vergine の終曲、7声部のマニフィカト Magnificat(聖母マリアの讃歌)。

受胎告知を受けたマリアが親類のエリサベトに会い、神の救いを確信して歌った讃歌(ルカによる福音書 1章 47 - 55節)。
旧約聖書以来の伝統的な讃歌を踏襲した、力強い神の救いと憐れみへの信頼を表現している。



{E53BDFF1-8E5A-409E-81E4-C08BEB603399:01}


サンドロ・ボッティチェリ「マニフィカトの聖母子」






Magnificat anima mea Dominum
et exsultavit spiritus meus in Deo salutari meo

私の魂は主を崇め、
私の霊は私の救いである神に喜び踊ります



Quia respexit humilitatem ancillae suae
ecce enim ex hoc beatam me dicent omnes generationes

なぜなら主が、身分の低い召使いの女に目を留めてくださったからです
そうです、今から後、いつの時代の人々も、私を幸いな女と言うでしょう



Quia fecit mihi magna qui potens est et sanctum nomen ejus

力ある方が私に偉大な業を行われたからです
その名前は尊く



et misericordia ejus a progenie in progenies timentibus eum

その憐れみは代々限りなく、主を畏れる者に及びます



Fecit potentiam in brachio suo
dispersit superbos mente cordis sui

主はその腕をもって力ある業を行われ、
心の思いの高ぶった者を追い散らし



deposuit potentes de sede et exaltavit humiles

権力をふるう者をその座から引き下ろし、
身分の低い者を引き上げ、



Esurientes implevit bonis et divites dimisit inanes

飢えた者を善いもので満たし、
富める者をむなしく追い返しました



Suscepit Israel puerum suum
recordatus misericordiae suae

主は憐れみを心に留め、
そのしもべイスラエルを助けてくださいました



Sicut locutus est ad patres nostros Abraham et semini ejus in saecula

私たちの先祖に仰せになった通り、
アブラハムとその子孫に永遠に




Gloria Patri et Filio et Spiritui Sancto
sicut erat in principio et nunc et semper et in saecula saeculorum, Amen.

栄光が父と子と聖霊にありますように
初めにあったように、今も、いつも、代々限りなくありますように、アーメン。




参考文献

Biblia sacra iuxta vulgatam versionem(ウルガタ版聖書). Stuttgart: Deutsche Bibelgesellschaft, 1969/ Re. 1994.
「聖書 原文校訂による口語訳」東京:フランシスコ会聖書研究所、2011年











祈祷
願わくは、主が、おとめマリアにその救いと憐れみを現されたように、彼女の歌に歌われたごとく、御腕の力をふるい、心の思いの高ぶった者を打ち散らし、権力ある者をその座から降ろし、身分の低い人を高め、飢えた人を善いもので満たし、金持ちを空手で追い返されますように。
父と子と聖霊の名によって、アーメン。