『キャラクター』
菅田将暉演じる漫画家が、目撃した殺人事件を題材に描き始めたところ、逆に漫画のとおりの殺人事件が起こってしまうというミステリー。
タイトルの「キャラクター」は、主人公が画力はあるが、キャラクターを描けない漫画家というところからくる。
しかし、この映画、キャラクターの描き方が不十分だ。
主人公の漫画家と殺人犯、それを追う刑事が2人。
殺人犯は、特殊なコミュニティで生まれ育ったことが原因で殺人犯になるが、その動機が弱い。
おもしろい殺人犯を設定してから、その動機を後付で加えた感が拭えない。
族上がりの人情派?の刑事役で小栗旬が活躍するが、途中であっけなく殉職する。
なぜ、このタイミングでわざわざ殺すに至ったのかがよくわからない。
漫画家の妻を高畑充希が演じているが、完全におまけキャラで、高畑充希にしてみたら、演じがいのないオファーだったのではないかと思ってしまう。
実は、キャラクターを描くのが下手という主人公の設定は、この映画の監督自身のことなのかもしれない。
あるいは、あえて下手に描くことで「キャラクター」というものを立てたかったのかもしれない。
謎が多い作品である。