世代交代も近い
ハレの準決勝、ロジャー対カチャノフは、フルセットにもつれこんだものの、ロジャーが勝利。
ポイントは、第2セット、5-4のサービングフォーザマッチをロジャーがキープできなかったこと。
ここで、サービスゲームを落とすことはなかったんだけどなあ。
35歳対21歳。
そして、今日の決勝は20歳のズベレフ。
カチャノフもまだ荒削りで、ロジャーさんのクオリティに至るまでには、時間がかかるだろうが、もういつ彼らが勝ってもおかしくはない。
いや、粗い部分があるだけに、まだまだ伸びしろがあるってことか。
むしろ、35歳で勝ってることのほうがすごいとさえいえる。
世代交代は近い。
ここ10年余りテニス界を牽引してきたビッグ4があっという間に崩壊した。
ジョコの体たらくは目に余るが、短い芝シーズンで、今週の500シリーズを欠場して、ウィンブルドン寸前の来週、250シリーズに出て調整するようだ。
なにせ、テニスをやる時間を減らして、プライベートな時間を増やすというのがグルの教えらしいから、金星ディストリビューターになるのはまちがいないだろう。
(もらった方が、もう金星と思わないかも)
昨年は自国で2回めの優勝を決めたマレーもここのところパッとしない。
もうピークは過ぎたと思われていたロジャーとナダルが今年復活して元気。
ずっとビッグ4の下でマイペースでやってきたバブが、さりげなく彼らの動向の陰で淡々と成績を残している。
残るGSタイトルはウィンブルドンだけなので、今年はがんばるのか?
クイーンズも早々に負けてるし、バブの波は読めない。
そんな中、ズベレフ、ティームに加え、キリオス、カチャノフといった若手が伸びてきている。
錦織らその狭間の世代は、この混戦の今がんばってどさくさにまぎれて上を目指さないと、今度は若手に押されて上に上がれなくなるだろう。
昨年マッケンローを臨時コーチにつけて芝シーズンを戦ったラオは、クイーンズで準優勝、ウィンブルドンでも準優勝したが、今年のクイーンズは初戦負け…
錦織もハレを3年連続リタイア、昨年のウィンブルドンもリタイアしているところから、正直今年のウィンブルドンは期待できない。
元気なのはチリッチだけだ。
もともと芝はきらいではないビッグサーバーは、最近ストロークでも器用なところを見せて、安定して勝っている。
今日のクイーンズ決勝も相手が格下のフェリロペだし、優勝の可能性は十分ある。
チリッチといえば、錦織が大躍進した2014年の全米決勝で、錦織を破った相手だ。
この世代では、唯一GSを獲っている。
GSに勝つには、残り3人の強敵を破らなければならない。
たとえば、今年の全仏の錦織は、準々決勝でマレーに破れたが、残りの3人とは、マレー、バブ、ナダルということになる。
マレーともいい勝負だったが、それに勝った後、バブに勝って、さらにナダルに勝つって、そらたいへんなことだ。
それをやれないと、GSは獲れない。
ちなみに、2014年の全米では、ベスト16でラオにフルセット、準々決勝でバブにフルセット、準決勝でジョコに4セットで勝って決勝に進んでいる。
これだけでもじゅうぶん偉業だ。
でも、タイトルを獲ったかどうかは、やはり大きい。
芝では、やはりサーブ力が重要だ。
優位にゲームを進められるし、サーブを中心にプレーを組み立てるということは、少ない労力でポイントが穫れるということだ。
ストローク中心で5セットを戦うのは芝では厳しい。
バウンドがすべって速いという特長を活かして、スライスサーブを多用するのも手だろう。
もうあと一週間後にせまったウィンブルドン。
今年は、きっともりだくさんな波乱を楽しみにしたい。