【概要】
シーズン14で目立った環境の変化について記載する。
それ以前の環境に関しては環境考察【S12~13】を参照すること。
【注意事項】
・あくまで個人の考察なので鵜呑みしないこと。
・内容がめちゃくちゃ長い。
【目次】
【本文】
1. 環境について
1-1. カビゴンメタ
シーズン13で爆発的にカビゴンが流行したのをきっかけに、カビゴン対策が環境に蔓延した。
当然ながら格闘タイプが増加。
カビゴンに強くカビゴンの取り巻きにも打点を持ちやすいメガクチートの増加も目立った。
カビゴンの流行はゲッコウガの技構成に大きな影響を与え、シーズン14ではカクトウZを持った物理ゲッコウガや、カビゴンを一撃で倒せる奮い立てるミズZ型が見られるようになった。
カビゴンの役割対象であったギルガルドは剣舞聖剣で逆にカビゴンを返り討ちにするように。
叩き落とすを採用した霊獣ボルトロスやカプ・レヒレも僅かだが見られるようになった。
しかし、これだけ対策されてもカビゴンが数を減らすことはなかった。
1-3. 崩し偏重のゲッコウガ
1-4. メガボーマンダの配分の変化
耐久メガボーマンダは数を減らし、アタッカー性能を重視したAS龍舞型、AS両刀型、CS特殊型が主流になった。
耐久メガボーマンダが数を減らした要因として、
メガメタグロスを低リスクで後出しされたり、
火力のなさを付け込まれて鈍いカビゴンやナットレイ、ビルドランドロスに起点にされるといった理由が挙げられる。
しかし、耐久のないメガボーマンダはめざ氷や不一致冷凍ビームで一撃で落ちるので対策は容易である。(かつて耐久メガボーマンダが増えたのはこのため)
環境の変化が進むにつれまた耐久メガボーマンダは数を増やすだろう。
1-5. 受けループの対面構築化
受けループは”受ける構築”から”攻める構築”に変貌。
ラッキーの本来の役割は特殊受けであるが、現環境ではステロ+電磁波で後続のサポートをしたり、カウンターで物理ポケモンを強引に処理する運用が主流である。
ラッキーはもはや特殊受けではない。
起点にされやすいラッキーのケアとしてヌオーが採用されるようになった。
数値が低く受けきる運用には向かないが、特性で相手の展開を強引に阻止できる点や、欠伸やカウンターで場を荒らす攻めの動きがとれる点が攻めのラッキーと合致した。
エアームドもラッキー同様、鉄壁を採用した受けきる構成ではなく比較的腐りづらいステロ+吹き飛ばしの構成が主流に。対面性能を重視したHAヒコウZ型が採用されることも。
攻撃技に関してもメガボーマンダの身代わりを破壊出来て、バシャーモやウルガモスを対面処理出来るブレイブバードが持ち物を問わず主流となった。
受けループがこのような構成に変貌した背景として、従来の受けきる構築の組み方では崩し枠の対処が不可能という事情がある。
受けポケモンを崩すための枠である崩し枠を受ける形で対策出来ないのは当然であるため、受けループが受けループしなくなるのも仕方ないことであろう。
また、崩し枠対策として採用される潰し枠の他に、オニゴーリのような崩し枠の採用が散見するようになった点から受けループの構成が変化した背景を読み取ることが出来る。
受けに合わせて潰し枠を組み込むよりも、潰し枠に合わせて受けの構成を調整したほうが強いことが示されたのではないだろうか。
1-6. その他特記事項
・ギャラドス
誘うカプ・レヒレを返り討ちに出来るヒコウZギャラドスや、ゲッコウガに強く雷パンチを持たないメガメタグロスやギルガルドを起点に出来る混乱実ギャラドスが環境に刺さっていたのかギャラドスの使用率が増加。
シーズン14は今までクチート軸での補完でしか採用されていなかった非メガのギャラドスの強さが見直されたシーズンだと言える。
テッカグヤの増加も目立つが、耐久メガボーマンダが減ったことや、メガメタグロスが雷パンチを採用しない構成が主流になったことでテッカグヤによる受けが安定する環境であったのだろう。
メガメタグロスが雷パンチを採用するようになると上記の二匹は死ぬ。
・電磁波ミミッキュ
もはやあまり語ることもないポケモンだが、シーズン14では電磁波を採用したミミッキュが印象として残ったことを記述しておく。
先発のミミッキュはおおよそ電磁波持ちである。
1-7. 結局シーズン14の王者って?
ポケットモンスター ソード & シールド
ギルガルドメタとして増えた免疫カビゴンを剣舞聖剣で返り討ちに。
その結果シーズン終盤では誰もカビゴンをギルガルドに投げなくなったのか特殊ゴーストZ型が数多く結果を残した。
残飯毒キンシ型、呑気弱点保険型も依然環境に存在し、もはやゲッコウガ以上に対処が難しいポケモンと化している。
絶対に許してはいけない
2. 構築について
2-1. メガボーマンダ軸
カバマンダガルド+カビレヒレの並びが流行。残りの一枠はミミッキュ等。
ゲッコウガやウルガモスは従来のカバマンダガルドの並びに強かったが、カビレヒレが組み込まれたことにより通すのが難しくなった。
2-2. メガメタグロス軸
構築に大きな変化はなし。
ロトムレヒレグロス、リザグロス、グロス軸の受けサイクル(ドヒドグライグロス)それぞれが満遍なく結果を残している。
強いて言えばメガゲンガーのシャドーボールやカプ・コケコのデンキZを耐える意地っ張りHD調整のメガメタグロスが一定数見られた。
2-3. メガリザードン軸
鬼羽メガリザードンXが結果を残した。
シーズン14のレート2200達成者の4人のうち、2人が鬼羽リザXを軸とした構築を使用していた。
鬼火という命中不安要素はあるものの、メガリザXの優秀な耐性を活かしやすく、受けポケモンと組み合わせるという自然な形で苦手なポケモンのケアが出来る鬼羽リザX軸は安定した立ち回りを行いやすく、環境に適合している構築だと言える。
ちなみにシーズン12からの傾向であるが、上位帯で使われているメガリザードンはXが主流である。(ぽけっとふぁんくしょん参照)
メガリザードンYはステルスロックに非常に弱く、事故死しやすいので敬遠されている?
2-4. メガゲンガー軸
マンダグロスリザのメガ枠三強に次いで採用率が高く、結果も多く残している。
シーズン14では滅びゲンガーの他に、アタッカーゲンガーでも守るを採用する構成が見られた。
メガゲンガーは相手のスカーフ枠に縛られやすいが、守るを採用することで相手のスカーフの有無をチェックしつつ、次のサイクルで確実に対面したポケモンをキャッチ出来る。
このようにメガゲンガーと守るは相性が良いので、守るを採用したメガゲンガーは数を増やしていくだろうと予測している。
スカーフの有無をチェックした後安全に裏に引かれるので、スカーフ地面でメガゲンガーを誤魔化していた構築は別の対策を強いられるだろう。
2-5. メガクチート軸
ポリクチは環境からほぼ消滅し、クチート軸といえばラティクチが主流となった。
環境考察【S12~13】で記した通り、ポリクチの消滅は相手に読まれる構築・戦術の弱さをもの語る一例と言える。
その点ラティクチは立ち回りや構成に柔軟性があり、環境によって組み方や戦術を変更しやすい。
クチート自体はシーズン14では数が増えたカビゴンや、カバマンダガルド+カビレヒレに一貫を取りやすく、受けサイクルにも強いので環境に刺さっていた。
2-6. 受けサイクル
受けループに限らず、最近の受けサイクルはチョッキブルルや混乱実ハピナス等のような対面での撃ち合い性能を重視した型が好まれる傾向がある。
理由は1-5. 受けループの対面構築化の項で示した通りであろう。
また、潰し枠の選択肢も多様化し、ミミッキュやメガゲンガー以外にもメガバンギラスやゲッコウガが採用されている。
3. 総括
3‐1. 三強の崩壊
一般枠はミミッキュ、霊獣ランドロス、ゲッコウガ、メガ枠はボーマンダ、リザードン、メタグロスの三竦みの環境が続いていたが、一般枠はカプ・レヒレ、ギルガルドが、メガ枠はゲンガーの採用率が三強に迫っている。
クチート、ガルーラ、ラグラージ等、上記のポケモンを軸とした構築以外にも数多くのポケモンが結果を残しており、もはや結果が出せるかどうかはどんなポケモンを使うかではなく、プレイヤーの力量次第の環境だと言えよう。
3-2. 構築の平坦化
アタッカーを軸とした構築ではクッションや崩し枠が組み込まれ、受けポケモンを軸とした構築では潰し枠が組み込まれたスタンパが現環境では大部分を占め、対面構築、純正受けループ、積み展開、ギミック構築等の構築コンセプトに特化した構築(コンセプトパ)をあまり見かけなくなった。
戦術や立ち回りワンパターンな構築は対応範囲の広いスタンパに後出しじゃんけん方式で対応されるのである。
そのためかたまに結果を出すコンセプトパは環境に存在しない新しいギミックを取り入れている構築が殆どで、構築の賞味期限も短い。
7世代にマンネリを感じる要因のひとつであることは間違いない。
3-3. 環境メタについて
随時追記。