酒好きヴォーカーズ 名古屋 -29ページ目

酒好きヴォーカーズ 名古屋

ダングォファンを世界中につくる!という構想を掲げ活動中!
お届けしたいのは「嬉しい・楽しい・面白い」と感じるシーンです。

第2話 「ウルフQFSカード 覚醒」

 

――影の囁き

 

事件は、カードが配られてから三日後に始まった。

佐藤健太は、最初の30万円をどう使うかで二晩悩んだ。「使い切らないと没収される」
光坂一狼の言葉が頭にこびりついている。
だから、ケチケチ貯金するのは論外。でも、派手に使って後悔するのも怖い。

 

結局、健太が選んだのは――「借金返済と、母親への仕送り、それと……ちょっとだけ贅沢」

まず、消費者金融に残っていた180万円の借金を一括返済。
次に、実家に100万円振り込んだ。
母親からはすぐに電話が来た。「健太……これ、どうしたの? 宝くじでも当たったの?」

「仕事で臨時収入があったんだよ。心配すんな」嘘はついた。

でも、母親の声が明るくなっただけで、胸が熱くなった。

残りの20万円弱で、健太は初めて高級寿司屋に入った。一人で。
カウンターで大将と話しながら、トロやウニを腹いっぱい食った。
会計は19万8000円。
ウルフQFSデビットカードを差し出すと、店員は一瞬眉をひそめたが、端末にかざすと即座に決済完了。

「……お客さん、このカード、珍しいですね」
大将が小声で言った。「最近できたばっかりらしいですよ」
健太は笑ってごまかした。

 

その夜、帰宅した健太は、SNSを開いた。
イベント参加者限定の非公開グループがあった。
千人全員が招待されているチャットだ。そこは、もう地獄絵図だった。

【参加者A】
「みんな、カード使った? 俺、昨日車買ったわ。ベンツ。現金一括。ディーラーびっくりしてた笑」

【参加者B】
「私、海外旅行予約した! ハワイ1ヶ月ステイ。ホテルはスイートルーム連泊♪」

【参加者C】
「株買った。全部テスラとビットコインにぶち込んだ。上がったら億万長者だろこれ」

【参加者D】
「ちょっと待て……お前ら、使いすぎじゃね? 毎月30万しか入らないんだぞ?」

【参加者E】
「いや、俺の残高、今朝見たらまた30万追加されてた。
 使い切っても、次の分がすぐ入るみたい」健太は目を疑った。
自分のアプリを開く。
残高――30万円。
確かに、満額に戻っている。「……マジかよ」グループのメッセージは加速していく。

【参加者F】
「これ、無限に使えるってこと?」

【参加者G】
「光坂さん、神だろ……」

【参加者H】
「ちょっと怖いんだけど。
 昨日、カード使った後、変な夢見た。
 狼に追われて、森の中を逃げてる夢」

【参加者I】
「俺も! 同じ夢見たわ!」

【参加者J】
「俺も……」健太の背筋が凍った。
自分も、昨夜見た。
黒い森。金色の目の狼。
遠吠えが、耳の奥に残っている。――これは、ただの金じゃない。

 

その頃、名古屋の某高層ビルの最上階。光坂一狼は、夜景を見下ろしながら、グラスを傾けていた。
向かいに座るのは、スーツの老紳士。
白髪に深い皺。だが、目は異様に若い。「順調だな、一狼」
老紳士が言った。「ええ。千人全員が、すでにカードを活性化しました」
光坂は静かに答える。「異変は?」「数名が、夢を見始めたようです。予定通りです」老紳士は微笑んだ。

「QFSの本質は、金じゃない。覚醒だ。選ばれた者たちが、狼の血を思い出すまで――」

 

光坂はグラスを置いた。

「次のチャージは、来週。30万円から、50万円に増やします。彼らがもっと欲をかくように」

「いいぞ。そして、使い切れなかった者たちは……?」光坂の目が、狼のように光った。

「自然に、淘汰されます」老紳士は立ち上がり、窓に近づいた。

 

「黄金時代は、もうすぐだ。だが、その前に、古い世界は焼き払われなければならない」

二人の背後で、名古屋の夜景が、静かに輝いていた。

 

 

一方、健太はベッドに横たわり、カードを握りしめていた。残高は、また30万円に戻っている。
でも、なぜか――カードが、少し温かい気がした。まるで、脈打っているように。

 

 

 

 

 

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このQFSカードが、日本人全てに届く頃、世界は激変しています。

そして私達の金銭的、経済的不安・悩みも激減しています。

 

黄金時代・・・UBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)