デストロイ
屁が出て困る
69です
お前さんたち
リカちゃん電話はご存じであろうか?
そう
あのリカたんが
もしもしサービスしてくれる
電話サービスである
そんな電話サービスが横行した平成初期
私は確か中学2年生くらいであった
思春期
反抗期
発情期
もはや世はエロ本時代であった
そこら辺の空き地に定期的に必ず捨ててあった
エロ本
しかしながら中学2年という私は
経済的にもまだ未熟で
エロ本を買う金など持っていなかった
エロ本=家
というくらい高額な
人生を狂わせてしまう
いわば
サンクチュアリ
私は空き地に捨ててあったエロ本を拾っては
友と共有しあっていたほど
そんなエロ本を読んでいた時に
それを見つけてしまった
そう
禁断の地
ダイヤルQ2
エッチなお姉さんとお話ができる
今や幻の大地
しかし広告には18歳未満利用禁止の文字が
あと5歳足りぬ
マジメな私なりに考え抜いた策は
声を変えよう
そして意を決してダイヤルしたんだ
「もしもし~♡何してるの~♡」
変なお姉さんが出た!
怯んだ
どうした私、負けるな私
「もしもし~?♡」
その声はまさにサキュバス
童貞の私には刺激が強すぎた
そして喉から絞り出した私の精一杯の第一声は・・・
「ボシボシ?お尻何個?」
声を絞っておっさんに寄せたはいいが
何だ
お尻何個って
割ったら2つに決まってるだろうが
だが、究極魔法を唱えた私はもはや疲労困憊
次の言葉が思い浮かばぬ・・・
そしてお姉さんから返ってきた一言が私をさらに痛めつける
「あれ~?声若いね~。もしかして中学生かな~?ダメだぞ♡」
ばれてる
私の自信作、五郎(43歳)の声色が
見破られた
もうダメだ
狼狽えている私をよそに受話器の向こう側からは
サキュバスの囁き
「ね~?もしも・・・」
ガチャ
切った
これが大人の世界であったか
ギブアップ
もう
グラビアのお姉さんでお腹いっぱい
とまぁ
まだ早すぎたと現実を思い知った14歳でしたが
何事も未知の世界へ足を突っ込むのも
大事です
だって
人生短いんですもの
やったもん勝ち
ちなみに
後日
家に電話料金が届いた時
親父が母に
怒られていました
どこに電話したんだと
親父は頑なに知らないと言っていましたが
知らないはずです
犯人は
私なんですから