演奏会のための特別なレッスン | INClaireの音楽な日々

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内藤郁子INClaireが、音楽について日々思うことや生活の中の音楽の話を書きます
音楽のたくさんのジャンルで、壁を作らず線引きだけして、
どれも体験して、魅力の違いを比べるのがおもしろい
音楽って一曲ずつそれぞれの魅力だと思います


Chère Musique

ラフェット 2024〜ヴォアクレール演奏会
11月23日に開催する秋の大きな生徒さんのための発表演奏会、最近はその関係の話題ばかりです。

本番まで約二ヶ月半となりました。
このくらいの時期に、普通のレッスン以外に、演奏会のための特別なレッスンがいくつか計画されます。 


まず早めに予約しておかなければいけないのが、ホールリハーサル。 
本番と同じホールを借ります。
理想は二〜三週間前で、今回は11月10日に借りました。
照明も音響も無しでピアノと会場だけを借りて、どんな形の会場で、そこで演奏するとどんな気分で、そこのピアノはどんなピアノなのか、 そのホールは歌声がどんなふうに響くのか、そういうことをやってみる会です。

ただ一回演奏するだけではなくて、一つの演目につき10分から15分、曲が少ないときには20分くらい、お仲間が客席で観ている前で、公開レッスンという形で行います。 
短いレッスンを受けながら、楽器の感触やホールの響き方を掴み、 雰囲気を掴みます。
声楽の伴奏ピアニストの先生も来てくださいます。

当日の開演前ももちろんゲネプロはしますが、そこでは綿密なことはできません。
例えば合唱の立ち位置、 楽器の配置する距離感、スピーカーを通す楽器の音の音量バランスをチェックしたり。
ですからその何週間か前のホールリハーサルはとても大切です。


そして広いスタジオを借りてのアンサンブルレッスンというものをします。
アンサンブル演奏をする演目と、合唱など大勢で集まる演目だけを、みんなで集まって次々とレッスンを受けてゆく、という日程をラフェットの時は必ず組みます。
二〜三ヶ月くらい前から、全部で四回ぐらい計画します。 
全員の方が毎回来れるとは限らないのでそれだけの回数計画するわけですが、熱心な方は毎回必ず受講してくれます。

そこでは、本番とほぼ同じ楽器を使って、アンサンブルのメンバー皆でレッスンを受けます。 
それまでの期間は、そのアンサンブル曲の歌でも鍵盤でも自分のパートをキチンと演奏できるかを、個人レッスンの中でその人のパートをお教えするということを積み重ねてきます。
そしてそれを持ち寄るようなイメージです。
それではいよいよみんなで一緒に演奏してみましょう!という感じ。 

合唱などもそうです。
自分のパート、ひとりひとりがしっかり歌えるようにしておいて、そして集まった時に声がどういうふうに合わさってハーモニーになるのかということをやる。
そういうものがアンサンブルレッスンです。



そして、声楽のソロや重唱を歌う方のために、本番にプロのピアニストの先生が、ここでも前に書いた谷上公子先生という素晴らしいピアニストが来てくださいます。
その方が二回くらいレッスンに参加してくださいます。
それまでの伴奏は、前にも書いたとおり私が弾いたりアシスタントの茜さんが一生懸命練習して素晴らしく伴奏して手伝ってくれたりしています。 
その本番で演奏してくださるピアニストが、特別にレッスンにも来てくださる日というのが、 「声楽のピアノ伴奏合わせ」という特別なレッスンです。
公子先生はアンサンブルレッスンの合唱の時間にも来てくださって弾いてくださるので、私たちのためにたくさん時間を割いてくださって本当にありがたいです。





そしてドラム、ベースの先生方との合わせ。
この演奏会は七割くらいがクラシック音楽なのですが、ポピュラーミュージックの部というのがあるので、そこでの演目には本格的にプロのドラマーとプロのベーシストの先生方に来ていただきます。 
その方々とスケジュールを合わせて、それも大体毎回二回ぐらいかな。
ドラムとベースの先生方と共演する演目というのは大抵毎回四〜五曲はあります。
その演目に出演する生徒さんたち、それがソロだったりアンサンブルだったりしますが、その先生方にレッスンに来ていただいて、その先生方のサポートの元でレッスンを受けるという特別なレッスン。 
ドラムとベースアンプを借りることができて大勢集まれるスタジオはそんなに多くないので、予約も大変です。



そして、普段できない特別なレッスンとしては。。。
私は古楽が大好きで、その演奏会の最初にバロック音楽の部というのがあり、そこではローランドの素晴らしく有能な電子チェンバロを渋谷の学校からお借りしてそれで演奏する演目が、これもだいたい毎回四〜五曲。
その中にソロ演奏をする人たちが何人かいます。 
それらの演目は、普段はアコースティックピアノでレッスンしたり、電子ピアノのチェンバロ音でレッスンをしたりしています。
もちろん音もまったく違うし、鍵盤の感触も違います。

そのローランドの電子チェンバロというのは、アコースティックな本物のチェンバロと感触はほぼ変わらないくらい優秀です。
それが置いてある渋谷の学校の部屋をお借りして、つまり本番と同じ楽器でレッスンします。
三回くらい、毎回その出演者が必ず全員来れないかもしれないので多めに計画しておきます。 



約二ヶ月半くらい前のこの時期に、普段のレッスンではない演奏会のためのこれらの特別なレッスンというものが日程が決まります。
ですからこのくらいの時期になると土日祝日はほとんど一週おきくらいにそういうものが入ってくるので、生徒さんたちも旅行の計画などは後回しにしてくれて、この特別なレッスンの日程が決まるのを待って優先してくださる方がほとんどなのです。 


今回もゲストの先生方の協力があって、無事日程が全部決まりました。


Musique, Elle a des ailes.