もう 20年以上前の話

アルツハイマーが重症化した クロクロ(夫)のお母さんを

パリから引き取って、亡くなるまでの4年間同居した時の事です。

母親を、老人施設には絶対入れたくないと云うクロクロに

従った形ですが、

私なりの受け入れ体制が整う迄は、頑としてパリまで彼女を

迎えには行きませんでした。

受け入れ体制とは、彼女の寝室の続きに浴室とトイレ、

それとベランダ(サンルーム、居間)の建て増し。

この病気、特別勉強しなくとも

看護に相当な手間と 困難が伴う事、目に見えています。

同じ空間、同じ部屋に住む事は、先ず不可能と

考えた方が正解。

このテーマでの映画などでは

病者のオツムの破壊状態は 大方、表現されていますが、

オムツでの苦労の話は出てきません。

物忘れから始まる 脳の低下は、

身体を支配する能力も奪っていきます。

彼女の為に立てた クリスマスツリーの飾りを

夜中の3時に ひとーつひとーつ 全部取り外してしまうとか

懐かしく取って置いた 、彼女と繋がり のある写真を

一枚残らず破いてしまうとか、

剥いてあげたみかんの皮を、窓に投げつけるとか、

そんな事は、なんと言う事もありません。

 

彼女がまだパリにいる頃は、

アパートの鍵を無くした

アパートの建物に入るコードを忘れた!

外に出たは良いけど、スタスタ歩いて、サア、自分が何処にいるか

分かりません。

クロクロの電話番号を書いたブレスレットをしてあったので、

交番から電話があったり、薬局から、お母さん居ますよって

連絡あったり、、、

怖いのは、アパートの中から彼女が安全チェーンをかけてしまう事

掛けたのは偉いけど、外し方がわかりません。

その度クロードはドアの外でオロオロ立往生

この頃、私はもうブルターニュに住みついていたので、

被害者はクロクロ

今でも時々、お母さんの悪夢見ています。

 

でも正直言って、面倒見ていて一番大変なのは シモの世話です。

人間の尊厳に関わると思うせいか、カカ(大便)とかピピ(小便)の話

オムツに関した話はほとんどご法度。

部屋と本人を清潔に保とうと思ったら、

外部からの援助を、予算の許す限り目一杯貰ってあっても

私自身が何処かへ外出する時間は、ほとんどありませんでした

 

このテーマ、重いので書くの止めようと思ったのですが、

フト、誰か、悩んでいる方がいるような気がしてーー

 

自宅看護するも、プロに預けるも、

其々 個人が決める事ですが、

施設を選ぶのも 立派な選択。

周囲の誰かが、家族の癖に冷たいなんて言ったら無視しましよう!

その代わり、家で面倒みると決めたなら、

看護体制、しっかり準備して下さい ‼︎

人生で、金輪際していけないことは 【後悔】

やると 決めたら 後ろ 振り向かずに、やりましよう