夜、トイレに行くのが怖い。
そんな理由だけで部屋の電気をつける。
地球温暖化に味方しているようで後ろめたいが、街灯やコンビニエンスストアの無駄に明るい照明と比べる。
あれらに比べたら幾分かは温暖化対策に貢献しているはずだと責任転嫁。
闇が怖くてトイレに行けないという年齢ではないものの、電気を点けてしまうのはある種のジンクスみたいで。
部屋の位置を分かりやすくする為と、壁や床に躓いて痛い思いをしなくて済むようにする為の予防策。
いろいろと理由を付けてみたものの、本心はやはり闇が怖いからで。
住み慣れた家が見えなくなるのが嫌で電気を点けてしまうわけです。
住み慣れたといってもたかが6、7年しか住んでいなくて。
10年近く住んでいた家も、今の家の前に住んでいた家も、時が経つごとに外観や内装、部屋の位置も全て忘れてしまって。
どうせ 今の家もどこか違う所に住んでしまえば忘れてしまう訳で。
そう考えると住み慣れてもやはり怖いのは仕方がない事なんだろうかと一人で頷く。
窓の外からは不定期な雨音が響いて。
子守歌のように優しく眠気を誘う。
しかし、この子守歌に混じって何者かの不気味な足音が聞こえると恐ろしいだろうなと無駄な思考を巡らす。
巡らしたところで何かが起きるはずもなく、脳が休息を求め思考を鈍らせてくる。
夢を見ない程度に眠りたい。