【前回までのあらすじ】
熾烈な戦いの中で戦いゆく理由を見失っていた最年長のイエローダイヤモンド。宝石の中でも一際脆く、決して戦いには向いていない、最年少フォスの言葉により、彼はもう一度戦う理由を思い出すことが出来た。
そしてフォスは新しい脚の能力を活かし、改めて月人討伐への参戦を希望する。金剛先生の提案により、アメシストの見回り補佐に就くことが決定するのだった。
海に行ったことの報告をするフォスの口から出てきた「にんげん」という言葉に動揺する先生。果たして、「にんげん」とは?先生の動揺の理由とは?
そしてそして新宝石紹介
イエローダイヤモンド
最年長。皆のイエローニキ。ダイヤモンド属の為、硬度は10。俊足。強くて速くて格好イイ!そこはかとなく漂うイケメンリア充オーラに最年長の風格を見た。
ジルコン
イエローダイヤモンドのパートナー。登場2ページで首ポロの憂き目を見る。フォスの次に若いが優秀。イエローを尊敬しているらしい。
オブシディアン
武器製作担当の非戦闘員。黒髪ボブ。武器製作という重い業務の割りに軽いノリが売り。ちなみにオブシディアンとは黒曜石のこと。宝石言葉は「摩訶不思議」。正に彼女(彼)を表していると言えるだろう。
13話「アメシスト」
今回のサブタイも宝石の名前ですねー。アメシストってあの紫色した双子だよなー。どんな宝石か楽しみだ。
冒頭は前回に引き続いて、フォスの報告シーンから。前号でフォスが呟いた「にんげん」というワードに先生は動揺を隠せないようだった。ていうことは、先生は人間説…?
しかし、フォスが覚えていたのは「にんげん」というワードのみで、それに付随する伝説等は失った脚とともにすっぽりと抜け落ちてしまったようである。先生はそれ以上を追求することなく三人を帰す。しかし、三人は何となく先生の放つただならぬ雰囲気に気づいていたようだ。先生が「何か変だった」と称すイエローに対しルチルは、フォスがあまりに海での出来事を覚えていないからイラついただけだろうと返す。本当にそうか…?
何か言いたげな表情を先生の部屋に向けるフォス。覚えていなくてはならない大切なこと。失ってしまった記憶に一抹の不安と切なさを覚えながら、それでも今は前に進まなければならない。
「元に戻れない以上 より良くなるしか許せないでしょうから」
フォスの新しい脚を大写しにルチルが呟く。この「許せない」っていうのはフォスがってこと?先生がってこと?それとも環境のことだろうか。色々な解釈が出来るこの台詞は、これからフォスに訪れるであろう多難な未来を暗示しているようだった。
一方、宝石たちを見送り一人部屋に残った先生。先ほど、フォスから「にんげん」というワードを聞き力を込めた机が無惨にも真っ二つになっていた。おいおい…。まさか本当に先生はにんげんなんじゃ…?そこら辺の考察は後でやろう。
すっかり陽も落ち、見回りに出ていた宝石たちが続々と帰還する。その中に、アメシストの姿が。片手を上げてアメシストを呼び止めるイエロー。訝しむような視線を向けるアメシストの前に現れたのは、俊足のフォスだった。アメシストは、まるで一迅の風のようなフォスに目を丸くする。
「お世話になります!」と礼儀正しく頭を垂れるフォス。部署異動の時は面通しが大事だもんな!
状況がいまいち飲み込めないアメシストに、イエローからフォス転職の説明が。脚が早くなったほかは据え置きのフォスに思わず「おお…厳しい」と漏らすアメシスト。イエローからフォスへアメシストの紹介が。どうやらアメシストは剣豪らしい。突然の展開ながらアメシストは、パートナーを組むにあたり、二人ではフォスのフォローが厳しいこと、かといって三人は難しいこと、だからこそ自分が選ばれたのだということをきちんと理解していた。
「二人でもひとりの 僕ら双晶アメシストでテストってわけだね」
そう言いながら暗闇から現れたのは、もう一人のアメシストである。あくまでも「アメシスト」だが、きちんと名前があるようでエイティ・フォーとサーティー・スリーと名乗っていた。その内R2D2とかC3POとか出てきそうだな。二人は前髪の分け目の違いで判断出来る。
「よろしくね」と言い、お互いに頭をカツンと合わせるアメシスト。「双晶は素手で割れないと分かっていてもゾッとする」とはイエローの言葉だ。フォスは「あの音ストレスです 職場変えてもらえませんか」と早くも転職希望であるが、イエローに贅沢言うなと一蹴されてしまった。
自室に戻ったフォスはベッドに横たわりながら剣を翳し、ついに始まる戦闘へと想いを馳せる。その脳裏に浮かぶのは今夜も見回りをするシンシャの姿だ。
「きっと 近づいてる」
ただ、シンシャを救う為。着実にその歩を進めてゆくフォス。その思いが通じたのかどうかは定かでは無いが、闇に包まれた海岸線を歩くシンシャが不意に振り返った。完全に振り返る前にバサリと布掛かる。
何事かと思ったらもう朝になったらしい。アメシスト達が寝ているフォスの布団を剥ぎ「朝礼」と一日の始まりを告げる。良かったなフォス!毎朝起こしに来てくれるヒロイン二人もゲットだぜ!
慌てふためくフォスの手伝いをしつつ、朝礼へダッシュGO。腰に付けた刀が何処か誇らしげである。幸いにもまだ先生は来ていないらしく、何とか朝礼に間に合った三人。良かった良かった。
そして始まった朝礼。前方には先生とジェード議長、ユークレース書記が立っている。まずはユークレースから天候の説明と月人出現予測が発表された。ほう…お天気お姉さんか。
ユーク書記の予報によると、今日の月人襲来率は11.4%、天候は概ね晴れ雨は降らないらしい。へえ、結構詳細な予測が出来るんだなー。この月人予報とかはどうやって予想を立てるんだろうか?
次にジェード議長から本日のポジショニングが。月人が出る確率の一番高い場所にはやはりダイヤ組を置くようである。ああ、アカン、またダイヤさんが曇ってしまう…。
そして、勿論フォスへの振り分けも。議長は少しばかり躊躇するような視線を先生に向けた後、アメシストとフォスを西の高原(にしのたかはら)の見張りにつけた。ようやく本格的に仕事開始って感じだな!
西の高原にやって来た三人。アメシストは空を指差して予兆の黒点が出る位置をフォスに教える。しかし、当のフォスはというと刀を構えて既に臨戦態勢だ。その様子を見て苦笑するアメシスト。フォスにとっては初の戦場。緊張すること然りなのだろう。そんな新人と共に見回りは続く。
緊張の糸を張り詰めたフォスは、アメシスト達が上げる声の一々に反応し早くもぐったりである。大丈夫かフォス…?
そんなこんなで陽は落ち、ドキドキの初日は終わりを告げた。アメシストに両腕を抱えられ、「捉えられた宇宙人スタイル」で帰還した三人に議長は心配そうな声を上げる。
そして帰還する宝石。議長に報告を行うアメシストの傍ら、ベンチに頭を預けて疲弊し切ったフォスにルチル医師が話し掛ける。回診の時間らしい。ルチル教授の総回診です。(アナウンス感)
「気分はどうですか?」と問うルチルに、長期的な休暇の必要性を迫るフォスだったがあっさり却下されてしまった。残念。
さて、報告も終わり、明日の仕事が決まったらしいアメシストと議長がフォスを呼ぶ。フォスの明日のポジショニングが今日より少し遠い、青の森なる場所の見回りだ。青の森…秋の田とか岩の手は無いのか……。
翌日、器を持ったアメシスト達。今日は見回りをしつつ、白粉花の実の収穫を行うというクエストが追加されていた。「そんなムチャな!」と叫ぶフォスだが、よくある仕事らしい。成る程、見回りの他にそういうのもあるんだな。
青の森、青森にて収穫に励む三人だが、案の定フォスは、虫が飛び立つ音に反応して仕事が捗らない。結局、帰還したフォスの器にはチョコボールのような実が一つ転がっているだけだった。
見回りの仕事も三日目に突入し、驚き疲れたフォスは草原にて仰向けに寝転がりぼんやりと空を見上げる。その頭には蝶々が。「それくらいリラックスしてて良い」と言うアメシストに「三日目にして極めたわ」と呟くフォス。ようやっといつもの調子が出てきたようだ。そんなフォスに剣の練習を提案する二人。眼前に舞う鞘を見て、フォスはそれやりたいと申し出た。そういやこの鞘投げはどういう仕組みなんだ?
ゆっくりと半身を起こすフォス。と、其処にはまさかの予兆の黒点が。おいおい…まだ三日目だぞ…?
「本番が」
「先みたい」
ラストは、予兆の黒点を前に刀を構えるアメシストとそれを後ろから見るフォスの姿で締め括られる。フォスにとっては初となる月人との戦闘。俊足を活かして撃退することが出来るのか?次回、三巻に続きます。