「宝石の国」7話を読んだので | 本を読んだので。

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読んだ本の感想文を上げてます。
文章がバカっぽかったりふざけてるのはご容赦下さい。



※ネタバレ及び自己考察注意




はい、それでは「宝石の国」もとうとう二巻へ突入致しまして、のろのろ感想を書いていきたいと思います。
前回6話では、ナメクジに変身した疑惑のあったフォスが実は蝸牛の殻に付着していたことが判明し、無事、元に戻ったは良いが件のナメクジとお話し出来るようになってしまったかもしれない所(長い)で終了していました。ナメクジとお話し…?どういうことなんだ、フォス…?
というわけで、7話いってみましょう。




7話「ウェントリコスス」


始まりは、昼寝瞑想中の先生から。
先生を囲むようにして首を垂れる月人の群れ。先生を見つめる彼らは何処か哀しげな表情をしており、先生との関係性を疑わせる。不意に伸ばされた腕が着物の裾を掴み捉えた。だが、先生が手を合わせた途端、辺りに穏やかな波紋が広がり、月人は跡形もなく霧散してしまった。あ、と呟き先生起床。「夢か、あぶない。そして寝すぎた」やっぱ寝てたんじゃないですかー!
ていうか先生、何者だ…?不老不死且つ、少年少女にしか見えない宝石たちの中で一人だけ大人だったり硬度が謎だったり、先の月人たちの様子にしたって…。謎は深まる。


目覚めた先生の元に駆け寄る議長もとい、ジュード改めジェード。恐らく改名占いでも受けたのだろう。此処で先生が丸一日昼寝瞑想していたことが判明。先生はジェード議長の頭を撫でつつ報告を聞く。頭撫でられてる議長が嬉しそうで何よりだ。「切の湿原」なる場所と学校上空に月人が現れたことを報告する。あ、この建物って学校だったんだ…。
この報告に先生は何故起こさないとお怒りに。いや、だって起きないんだもんな…。
しかし、その心配も杞憂だ。上記の月人たちはあっという間にボルツが退けてしまったのである。先生は、「無理はするな」とボルツの頭もナデナデ。ファッ!?ボルツも嬉しそうな顔するんだな…。そういう顔をもっとダイヤさんに見せてやってもええんやで…?


先生の後に付いて歩く議長とボルツ。今回しなければならない報告はこれだけではない。レッドベリルが新しい布の強度をみて欲しいということ、ユークレースが計画書の一部を落としてしまったので時間が欲しいということ、そしてもう一つ。これが一番の問題である。


場面変わって、池の傍に座り込むフォスとナメクジ。ナメクジは偉そうに片腕をあげて「我こそは全アドミラビリス族を束ねる王、ウェントリコススである」と何やら訳の分からんことを言っている。それを聞いたフォスはただただ遠い目をして見守る他無かった。本当にナメクジの言葉が聞こえるなんてたまげたなぁ…。
ナメクジ王が「ひかえお」と言ったところでとうとう池に投げ捨てられる。投げられたナメクジ王は水中でクラゲからのセクハラ被害に遭っていた。息を切らして陸に上がってきたナメクジ王。(以下、王)どうやら、このちんまりとしたサイズが原寸大のようだ。
そこで王は、フォスに自身が巨大化した経緯を語る。王を初めとしたアドミラビリス族はその美しい殻を持つがゆえ月人に攫われ、月の甘い水と砂で巨大化し飼われている内に思考を奪われ、今も家畜同然の扱いを受けているらしい。その中でも、王はこうして元の姿に戻ることが出来たが他の家族たちは未だ月に捕らえられたままだと言う。マジか…。もしそれが本当なら、同情する、と呟くフォス。


一人と一匹で楽しく?話しているとフォスの背後からひそひそと囁き声が。「ひとりで喋ってる…かわいそうに…」すっかり噂になっている。その声に振り向いたフォスの前を煌びやかな宝石たちが駆け抜けていく。これから見回りの仕事だろうか。フォスがナメクジと会話出来るようになっていることは周知の事実なので、各々心配しているようだ。しかし、まぁ扱いがノイローゼってのは切ないなフォス…。これまで以上に距離を感じさせる皆の態度にフォスは憤慨する。「僕だけ!お前の言葉が分かるようになったせいで病人扱いされてんだよ!どうしてくれんだよ!」ごもっともであるが、王はあっけらかんとしたもので、「いやーびっくり。そんなこともあるんだねー」とまるで他人事のようだ。しかもフォスを食べた理由は「色が美味しそうだったから」という至極単純なもの。月人だけでなく、ナメクジにも好かれるフォス…。南無。
がっくりと項垂れるフォスを見て、勿論ダイヤさんも心配そうに声を掛けてくれた。
それに対してナメクジが身を乗り出して「ヘイ!マイダイヤモンド!」とか言ってる。おい、ダイヤさんは俺のだぞ!俺のマイダイヤモンドだぞ!(重複表現)


色とりどりの宝石たちを見た王はすっかり観光気分で「いやーすばらしい国だな。かわいこちゃんしかおらんではないか」と褒め称える。そして、自分の好みのタイプがボルツやシンシャのようなツンとした子であることを告げた。ああ…だからシンシャとボルツにはハートマーク出してたんだな…。駄目だこのナメクジ、早くなんとかしないと…。
フォスは、この発言から王がシンシャに会ったことに気付き問い詰める。王は、シンシャが自らの殻の特性からフォスを元に戻す為の解決策を導き出したことを、聡いと褒めるが、それは同時にフォスがまたもやシンシャに助けられたことを意味していた。助けると豪語した相手に二度も助けられてしまった。その事実にフォスは酷く落ち込む。先程よりも項垂れたフォスに王が、「あの子にかっこ悪いとこ見せたくないんだな?」と声を掛ける。フォスはそんなんじゃないと否定して見せたが、恐らくは少なからずそれもあるだろう。だが、それよりもフォスが気に掛けていたのはシンシャがフォスに託した希望の可能性だった。


「シンシャは多分、僕だけに秘密を教えてくれたんだ」

「なんでかはわかんないけど、誰でもよかったとは思いたくないんだ」

「僕さ、誰かに頼られたのははじめてなんだ」

「だから次は絶対、僕が助けてあげなくちゃ」


この言葉を王は静かに聞いていた。ダイヤと共にシンシャの元を訪れた王は、彼のフォスに対する感情を聞いていた筈だ。シンシャとフォスのファーストコンタクトを知らない王がその言葉をどう汲み取ったのかは分からないが、それを敢えて口にしなかったのは王の優しさなのかもしれない。
「よし」と決意も新たにやる気バリバリのフォス。王は「わしもわしも」と足元で騒ぐが、観光でもしてろと一蹴されてしまった。そして、その背後には神出鬼没なルチル医師が…。ルチルはやおらフォスの腕を掴み、「もう一度あなたをバラして組み直します」と恐ろしい言葉を発した。すっかりパズル感覚のフォス。勿論、フォスはこれを拒否。「ただのノイローゼだから!」
とぐいぐい腕を引く。ノイローゼで良いんかい。尚も食い下がるルチルにフォスが放ったのはナメクジ砲だ。ナメクジくらえ!そして此処でもハートを飛ばす王。お前さんは本当にミーハーだな…。
しかし、王は哀れにもルチルの足に引っ掛かりそのまま宙を舞う憂き目を見た。


一方では先生が報告を聞きがてらナデナデ巡回中。うわーいーなー俺もダイヤさんの頭ナデナデしたいっす!
ナメクジ王の噂は此処でも話題になっていた。「それで…」と言葉を続けようとする議長を遮り、ビタンと快音が。ま、まさか…。視線を上げると先生の頭にジャストフィットで乗る王の姿が……。
危険を察知したルチル医師は静かにフェードアウト。一人残されたフォスは迫り来る終わりに事の次第を見守ることしか出来なかった。王は先生の頭の上で「あらやだいい男」と零す。アッー!本当に見境の無いナメクジである。「この人削れないわ」と手足をちゃかぽこ動かすコミカルな王。ていうか削ろうとすんな。
当の先生は実に冷静で、王に動じず、むしろ王を「これか」と観察する。相変わらず器の大きい人だ。後ろでは議長とダイヤとボルツがその様子に吹き出していた。議長、ダイヤはまだしもボルツって笑うんだな…!ボルツの意外な一面が次々と明かされる7話である。


場面変わって、先生に向き合うフォスと王。先生は王を敵と見なさず歓迎の意を表し、これからどうするつもりかと問うた。いい男の先生を目の前にした王は当然の如く「付き合ってください」と邪な要望を告げる。しかし、王の言葉はフォス以外に聞こえない為、通訳係になったフォスにより「下僕になりたいそうです」と悲しく改変されてしまう。フォスに飛び掛かる王。フォスの言葉を真に受けた先生は平等かつ友好的な関係の構築を望んだ。そんな先生にハートマークを飛ばしまくる王。好意的なのは先生にも伝わったらしい。やったぜ。
王の言葉を理解出来るのはフォスだけ、ということで博物誌編纂の一環として行動を共にするよう命ぜられる。フォス、げんなり。


一拍置いて、フォスは先生にシンシャのことを話す。彼はどうしてもあの虚しい仕事で無ければいけないか、というフォスの言葉に先生の視線がスッと鋭くなる。
「彼は有害かもしれませんが、とても優秀です。それに、無能な僕を二度も助けてくれました。なにか他には」フォスの必死の弁護は、先生にも痛いほど分かっていた。一巻2話「シンシャ」でルチル医師が話していた通り、先生やルチルをはじめとした聡明な者たちで考えても、彼を夜から救い出す道を見付け出すことは出来なかったのだ。先生は、フォスに「許せ」と告げる。夜の見回りは、シンシャが自分で考えたものだという。


「生きているだけでいいと、何度も諭したが ただ息をしてやり過ごすには あの子は優しく聡明すぎる」


上記の言葉と共に回想シーンが入る。花びらへ伸ばされたシンシャの指先は躊躇したように動きを止め、その手を先生が握る。自室の床を毒で汚しながら途方に暮れたように座り込むシンシャ。先生に救いを求めるよう視線を向けるが、その身体からは銀色の毒液が。触れることを躊躇った花でさえ、汚染された空気により枯れてしまう。何をせずとも自分は有害なのだと見せつけられているようだ。宝石たちにとってある種絶対的な、救済の象徴とも言える先生でさえ触れることの叶わない身体にシンシャは深く絶望する。圧倒的な力を持ってしても、どうにもならない現実だってあるのだ。それが、シンシャを夜に駆り立てる理由だった。


あの子がやっと考えた夜の見回りを取り上げるのは忍びない。しかし、それが結果的に彼を夜に閉じ込めることとなってしまった。だが、幸いにも不死である宝石たち。長く時を掛ければいずれは彼を救い出す手立てが見つかるかも知れない。先生はフォスに、その時が来た時シンシャの力になれるよう自らの責務を果たせ、と伝える。その言葉に、落胆にも似た表情を浮かべるフォス。今すぐにでも救い出したいフォスの目の前に立ちはだかる壁は余りにも大きい。



場面変わり、草原に寝転がるフォス。王はまた草もぐもぐしてる。フォスは静かに呟く。「僕が、シンシャに見つけてあげられるものなんて ないのかもしれない」今までは、先生に言えば大抵の事象は解決した。先生はそれ程までに絶対的な力を持っていたのだ。だが、その先生でも持っていない解決策を自身が見つけられる可能性は低い。珍しく落ち込むフォスに、王が「この国にはな」と意味深に言う。むくりと起き上がるフォス。
「海いこうぜ」王の粋な誘いにフォスは気乗りせず。「遊んで忘れろアホってか」と器に入れた王をぶん回して見せたが、王には思い出したことがあったのである。
「海にはおぬしらによく似た姿形の者がおる」な、なんだってー!?海の中にも国が形成されてたりするのか?これは気になる…。フォスもこの話題に食い付き、王に尋ねる。博物誌と気分転換もかねたお得なご提案だとフォスを誘う。王なりに気を遣ったんだな…。段々と権威ある王に見えてくるぞ。
それでも、フォスにはさんきゅーウンコ王とか呼ばれちゃうウェントリコスス王。権威…権威…うーん…。


ラストは「海は禁止されてるけど…ま、どうせ役立たずだし 賭けてもいいか」と眼前に広がる砂浜と海のシーンで締め括られる。海の中にいる姿形の似た生き物とは何なのか?そこにシンシャを救うヒントはあるのか?次回、8話に続きます。