遅ればせながら はじめまして!

 

ボイストレーナー、発声研究家をしております

山田容子です。

 

 

 

 

約20年前からボーカルを教えておりまして

その頃からずっと

心に引っかかっていた事があります。

 

 

 

今日は、

私のボイストレーニングの核になっている

『 この心の引っかかり 』について、

書かせていただきます。

 

 

 

 

 

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世の中のボイストレーナーは、

大きく2種類に分かれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

音楽大学の声楽科出身の、

  声楽、オペラの基本を学んだ先生です。

 

 

 

 

 

 

 

 独学で、発声を学んだ 

  ロックや、ポップスで活躍する先生です。

 

 

 

 

この2つの派閥は 

水面下では

いつも、いがみ合っています。

 

 

 

 

オペラ出身の先生は

 

『 地声は喉声だ! 

ポップスの人は、発声の基本ができてない!!』

 

 

 

ポップス出身の先生は

 

 

『 声楽なんて、カッコ悪い!オペラの人は

高い地声がまるで声楽みたい!!』

 

 

 

 

そして、世の中に出ている 

ボイストレーニングに関する書籍のほとんどが

 

 

この2種類の、どちらかに分類される

先生によって書かれおり

 

 

 

そしてまた

あなたの知っているボーカリストや

ボイストレーナーの先生の殆どが

 

どちらかに、分類されると思います。

 

 

 

 

クラシックとそれ以外(ポップス)とは

これまたあまりにもザックリ分けすぎで

ちょっと納得いかない方もおられるとは思いますが。

 

 

 

 

 

 

実は、クラシックオペラの発声は

 

今、世界中で注目されている、

多くの有名なボーカルメソッドの

ほとんどの

基本になっているのです。

 

 

 

 

 

 

 

にもかかわらず、 両者は、融合していません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2つのボイストレーニングには

それぞれ利点と欠点が、あります。

 

 

以下は、私が過去5000人ほどの

ボイストレーニングをしてきた中での統計であり、

 

 

 

自分自身も国内外のボーカルの先生に長期的に

レッスンを受けてきた経験によるものです。

 

 

 

勿論、例外の方もいらっしゃいます、

その事を踏まえた上で、1つの意見として

受け止めて頂ければと思います。

 

 

 

 

 

 

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◆ オペラ、声楽を基本とした

      ボイストレーニング ◆

 

(利点)

 

● 喉の負担が少ない

 

● 努力すれば、小さい声から大きな声まで

  ダイナミクスを最大限につけることが可能

 

● スケール感が身につく

 

● 基礎力が身につくので、

  今後のやり方次第で

  多くの面で有利である。

 

● 比較的簡単に音程を直せる

 

 

(欠点)

 

● 力まず、脱力を心がけてのトレーニングなため

  長期的かつ、時間をかけたトレーニングが必要

 

● 中音域から、地声ではなくミックスボイスが

  推奨されるので、腹から繋がった高音での 

  しっかりした地声を出す為には

  作られていない事が多い

 

● ロックなどのしっかりとした地声を

  出すトレーニングにはなかなか繋げにくい

 

● 表現したいジャンルが限定される

 

 

 

 

◆ ポップス、ロックなどを基本にした

       ボイストレーニング ◆

 

 

 

(利点)

 

● 各ジャンル独特の音色を作りやすい

 

● 基本地声での発声なので、気持ちがストレートに届きやすい

 

● 各ジャンル独特の雰囲気を作りやすい(ノリやフェイクなども)

 

● 地声の声量が上がる

 

● マイクを使用したジャンルに向いている

 

● 流行や時代に沿った表現がしやすい

 

 

 

 

(欠点)

 

● 喉に負担がかかりやすいと自覚がある方が多い

 

● 特に高音は、本人の持っている才能に依存するところが多い

 

● 長時間歌ったりマイクなしで大きな声を出す為には作られていない

 

● 習った先生の声に似てきてしまう事が多い

 

● 基本、咽頭を開かないので

  ダイナミクスや、スケール感を出すような

  トレーニングには繋がりにくい

 

● 音程に不安があると自覚する人が多い

 

 

 

 

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この2つのボイストレーニングは

 

 

 

何十年も、お互いを認めずに、

今日に至っていると、

今でも私は感じています。

 

 

 

 

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楽器の世界でも同じように

 

 

例えば ピアノを例に出すと

 

 

 

 

クラシックのピアニストは

指が非常に早く回る方が多く

 

その他のジャンルのピアニストに対して

『 彼らは、指が早く回らない!

フォームが悪い 』

などと言っている方もいらっしゃいます。

 

 

 

それを受け

ジャズのピアノにストは、

口を揃えていうのです。

 

 

 

『 クラシックのピアニストは

インプロビゼーション(即興演奏)ができない

リズム感が悪い、グルーヴがない 』

 

 

 

 

 

 

でも、どうでしょうか?

 

 

 

 

 

指が凄く回って、なおかつ

即興演奏も、ジャズなどのリズムも

グルーヴィーな演奏も、

カッコよくこなせる

 

クラシックとジャズ等の

両方の売りを兼ね備えたピアニストが

一番カッコよくありませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

ピアノの場合

頑張れば、それは可能だと思います。

 

 

 

 

 

むしろ、

クラシックの基本をマスターしている

ピアニストが、

ジャズやロックなど他のジャンルを

極めたら

それが最強だと思いませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

歌もそう......。

 

 

 

 

 

 

高いところまで、裏声も、地声も出て

しかも、中間からミックスボイスに切り替えて

歌う事も出来る歌手。

 

各ジャンルの良いところも、

歌おうと思えば、自分で

雰囲気や音色を自在に操れる

 

 

スケール感や、ダイナミクスも

思うように自由に付けられ

 

マイクなしでも、マイクありでも

歌える歌手。

 

声量も半端ない!!

 

 

 

 

そんな歌手が、

最強だと思いませんか?

 

 

 

 

 

 

でも、

実際には

 

 

ピアニストほど

うまくは行きません。

 

 

 

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長くなってしまったので、

続きはまた、すぐに更新しますね。