おはようございます

さてさて、歌っている間に、お腹はどうなるのが正しいのか?

 

横隔膜が、すぐに上がってしまわず、

安定したスピードでほんの少しずつ上がっていく事で、歌声をを安定させます。

そしてフレーズの終わりまでに、上まで上がり切ってしまわない

というのが、正解です。

 

なので、表題の答えは、お腹は殆ど、凹まないでキープしている状態が

正しいという事になります。(実際には空気が出ますので、わずかに凹みますが

目に凹んだと見えない程度にとどめています。)

腹踊りのように出たり凹んだりしないのです。。。。

 

具体的にやってみましょう。

 

 

それではまず、

下準備です。

 

歌う前に、あなたのお腹にインスタントに支えを作る事から

始めます。

 

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腹式呼吸というのは、お腹から、胸、首、喉、表情筋まで

すべてをある程度開いた状態で、支えて初めて機能します。

 

 

実は、お腹だけを開いた場合、逆に喉が閉まる方も多いのです。

 

 

現代において、食生活の変化や、不摂生

腰から胸、上半身の筋肉の減少、表情筋の

発達の減少などにより

お腹を開けば、胸郭を含め、上まで開く方は

年々減少して行っている印象です。

 

 

欧米人の場合、比較的に胸周りや背中の筋肉、

腕などの筋肉表情筋の発達がある方が多いせいか、

お腹を開くと、上まで開く方は多いように感じています。

(まだそれほど多いデータではないですが研究中です。)

 

 

日本人の場合、実際、腹筋は強い方が多いのですが

お腹を開いても、胸回りが開かず、運動不足の方や

メタボの方の多くが、腹筋を張ると、

胸が逆に締まってしまう方も多くいらっしゃいます。

 

 

 

これは、西洋人が狩猟民族であり、体の上半身と背中が

発達しており、日本人が農耕民族であり、

腹筋など前の筋肉の発達がしっかりしている

事と関係があるのだと思います。

 

 

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下準備です

 

 

① まず上の写真のように、みぞおち

  (おヘソから指を横にして4から5本の場所)

  に親指を立てます。

 

② この状態で、お腹に力が少し入った状態で、 

  口から空気を入れます

 

 

③ お腹を膨らめたら、口を閉じ、軽く閉じた歯の間から、

  「スーーー」と ガス漏れのような音を出しながら、

 (首が張る感じで)この部分のお腹を出して行ってください。

 

 

④ この時、唇は外に開いて(歯は軽く閉じた状態)

  首には少し力が入ったような状態になります。

 

⑤ 空気がなくなるまで、

  前に腹を押し出す感じです。(かなり腹筋を使います) 

   決してお腹が凹まないようキープしてください

  (お腹だけで、からだは、動かないよに)

 

 

最初は、スー ススースス。。。ス と震えたりしますが

慣れると、スーーーーと継続していけます。

 

以上を、 5回やってください。

 

 

 

これで、正しくできていれば

お腹の支えが、ある程度インスタントにできました。

 

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次は、 いよいよ 歌ってみます。 

いつも出ない地声の高音などを、中音からから

徐々に上がっていって最高音がどこまで出るか、

試してみましょう。

   

 

①  唇をタコのように突き出して、

   それをそのまま保った状態で

   口を縦に開いてみてください。

 

 

こんな感じです。

もうちょっと上唇を狭く、歯が2本くらいしか見えないようにした方が良いです。

口角は、まっすぐです。

 

 

②  この顔をした状態で

   先ほどの要領で、お腹を膨らませて、空気を入れます。

 

 

 

③  空気を入れたら、このままお腹を凹ませないよう

   張り出しながらアの母音で地声を出してみましょう。

   ドレミレドなどの音階を歌っても良いです。

 

 

④  この状態で、お腹が凹まないように張ったまま発声すれば

   その場で、地声が3度くらいは上が

   出るようになっていると思います。

 

   

   ポイントは、ブレスの前であっても、お腹を緩めない事です。

   長い休み以外は、お腹は歌っている時、ずっと張っている事です。

 

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以上、お腹の支えをインスタントに作り

その場で地声をのばす方法でした。

 

 

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発声の音域を測りますと、

 

私がこのトレーニングで調整した場合、 

地声がのびない方は殆どいらっしゃいません

最低でも3度、

 

多い方ですと、1オクターブ上まで、地声が拡張した方もいます。

 

 

 

 

このまま、首とお腹の力を抜かずに行くと、地声から強いミックスに切り替わります。

ミックスボイスが出し辛い方にも参考になると思います。

 

 

 

 

ただ、ヘッドボイスのトレーニングが全く経験ない方は

一人でやった場合、このお腹の支えだけでは、地声がのびない方も

わずかにいらっしゃるかもしれません。

のびたとしても、いずれ、声が野太くなって、狙った

上の音がフラットしてくる事もありますので

 

 

ヘッドボイスのトレーニングは、是非行ってください

ヘッドボイストレーニングをやればやるほど

お腹の支えは威力を発します。

高い地声がのびてきます。

 

 

 

車に例えれば、 

このお腹の支えを持って行う腹式呼吸は エンジンであり

 

 

ヘッドボイスのトレーニングは ボディーを作る事

 

ポルシェのエンジンには、ポルシェのボディーでなければ

いずれ不具合が出ます。

 

 

 

ボディーが軽自動車の方は、 ポルシェのボディーを手に入れるべく

ヘッドボイスのトレーニングを行ってください。

 

 

 

 

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上のようなトレーニングは、あくまで

お腹で支えられない方のための、

癖付けのトレーニングです

 

 

慣れたら、お腹を意識せず脱力して支えられるのが、

理想的です。