ほら 君はちゃんと相手を見ているよ。
だからこそ 自分の真実を選ぼうとしてきた。
自分の本当を知る度に 
それが君の信念になっていった。
だから 決して彼女の為に
君が一緒に居たわけでもなく
誘われるがままに流されたのでもなく
本当の自分で居続ける為に
彼女の存在も必要だった。
彼女からしても同じことが言える。
自分の思惑に乗らない君の方を
無意識に彼女は必要としていたはずだよ。
言葉にならなくても 何故だか
君を求めていたには違いないからね。


あぁ 私があなたに食らいついてきたのと
変わらないということですね。
自分を肯定して欲しいという思いと
否定して欲しい気持ちが行ったり来たりして。
そして 何よりも 一貫して同じ答えを
返してもらえることが一番の安心で。
いつも同じ答えをくれる事が
信用に繋がってきますし。

 私がどれだけ 君に同じことを
伝えてきたと思うんだい?
そして何十年と経った今もまだ
私は伝え続けているよ。
なのに 他人である上にずっと一緒とも
行かない関係で 何を理解させ
どんな変化を期待しているのか?
そこが君の苦しみなのではないか?

確かに そうです。
私もまた 相手にあなたを望んで
しまったのかもしれません。
会話をすれば 理解し合えると。

 そうだね。
私と君でさえ会話のキャッチボールにも
ならない時が在る。
何度 君に無視をされ 自分の概念の
正しさを主張されたことか。


そうでした。
私の不安をあなたに押し付けた事も
あなたが矛盾を言いやしないかと試したり
それは 今も尚 終わってはいないのですから。
私はあなたの思い通りにもならないし
あなたも私の思い通りにはならない。
そうでしょう?

 あぁ その通り。
ただ自分の選択があるだけだ。
それが無ければ この世界は面白くないからね。
思い通りに出来ているという錯覚さえも
楽しめる世界だから。
人と会話をするという状況も
結局は 私と会話をしているようなもの。
目の前に誰が居ようとも
キャッチボールになっていなくとも
すでに会話はなされているのだから
会話をするという目的だけは
成されているよ。
だから 誰と居ようとも
自分がどう在るのか それだけだ。
まぁ 怖いもの見たさもあるだろうし
自分の心の揺れを楽しむのも在りだがね。